ベーシストのアニメ語り 〜時々音楽〜

ベーシストが音楽よりも優先してアニメ、映画などオタクコンテンツを語るブログです。

2024年冬アニメ 1話総ざらい!!!! ~後編~

ダンジョン飯

漫画原作。ダンジョン攻略において空腹が原因で敗走する事になり、迅速な攻略を目指して食料を持ち込むのではなく、現地で調達したモンスターを食料にすることを決める。

という体でダンジョン内の様々なモンスターを美味しく調理していく、所謂料理アニメ。

 

ちょっと前からこういう異世界を舞台にした料理アニメはたくさんあった。

けどそれはほとんどが現実(地球)の料理を知らない異世界人に振る舞うというパターンで、異世界の食材を使った料理アニメは意外と斬新かな、と。

 

ただひとつ思うのは、この世にない食材を使った料理を見て、どうすればいい?です(笑)

 

このアニメ見て「これめっちゃ美味そう!作ってみたい!」ってなっても作りようがない、よね。まあ似たような食材で出来るんだろうけど。

 

内容的には特に深みも何もないが、アニメ制作はTRIGGER、OPはBUMP OF CHICKEN、EDは緑黄色社会という超豪華布陣。

最近は制作会社とタイアップアーティストで作品の質が分かるという。

 

まあいつものTRIGGERらしいクセのある作画ではないので言われなければTRIGGERとは気付かないですが、クオリティは高めですね。とりあえず視聴継続です。

 

 

◎30歳まで童貞だとなんたらかんたら

BLなので秒速切り。さようなら。

 

 

戦国妖狐 世直し姉弟

漫画原作。タイトルまんま!戦国時代、妖狐の姉弟が世直しの為人間に仇なす妖怪を退治しながら旅をする話。主人公はこの姉弟に出会う人間で、人間側の視点で描かれる。

アニメは2部に分かれていて3クールでやるのが決定しているそうで中々気合が入った作品ですね。

 

妖狐(姉)を大好きな声優、高田憂希がやってるので見続けたい気持ちはありますが、うーーーん、

 

なっかなか中途半端な作品やのう!!

 

正直こういう作品が一番困るんだよね。一瞬で切るようなつまらん作品ではないし、そこそこ面白そうではあるが、毎週楽しみにするレベルでもない。

毎週とんでもない数のアニメを見ていた昔なら見ていただろうが最近はもう、とんでもなくバカなアニメか、めちゃくちゃ面白いアニメか極端なものしか見ないよね。

ごめんなさい、1話切り!

もし3クールでめちゃくちゃ面白くなったら後から見ます。

 

 

◎勇気爆発バーンブレイバーン

オリジナルアニメ。タイトルからし知能指数が低いバカアニメの雰囲気!

しかしながら監督はロボアニメ界の大巨匠、大張正己

 

主人公は自衛官で、ロボットに乗って訓練している。アメリカ軍兵士と小競り合いなどあって前半はトップガンみたいなノリ。というか明らかにトップガンを意識してるアメリカンなノリです。訓練後パブみたいなとこでどっちが強いかとかウダウダやってたりね。

中盤になるといきなり未知の生命体(兵器?)の襲撃があり、人がどんどん死んでいく。ここへきてマブラヴオルタネイティヴみたいなシリアスなノリに変わる。オール・ユー・ニード・イズ・キルとかね。

 

と思ったら!いきなり画像にいるデッカいロボが現れ、主人公が乗り込むことに(しかもこのロボ喋ります!オレに乗れ!みたいな感じで)。

そこから、さっきまでのシリアスなノリが嘘のように子供向け熱血ロボアニメに!

昭和のロボアニメ主題歌のような激ダサBGMまで流れ出した。すると主人公が

 

「さっきから何なんだ、この歌は!?」

 

えっ、この曲BGMじゃなくて実際ロボの中で流れてるの?www

もうここ大爆笑しました。敵を華麗な必殺技でやっつけて1話は終わりでしたが、一体何を見せられたんだ……。

 

例えばキルラキルは昔のアニメのダサさをちょっとイジる感じでオマージュしてましたが、これはそんなんじゃない、マジでダサいのをそのままやってる感じ。

 

「これくらい本気でやればダサいのも一周してカッコいいでしょ?」

 

みたいな声が聞こえてきそうですが、いや、何周してもやっぱりダサいよw。

と思いますよほんと。それでも腹の底から笑わせてもらったしXでもトレンドに入ってたんで、これを見た人は問答無用で衝撃を受けたんでしょう!

 

いやー楽しかった。だけど、だからって見続けるかはわかりません。

こんなのは急に「わっ!!」って驚かされたようなもんで。内容が面白いかは別!(笑)

 

そして、そもそも僕はロボットアニメは特に好きじゃないんですよね。一番好きなアニメはエヴァですが、別にエヴァンゲリオンというロボットが好きな訳ではなく……。

特にこのアニメのようなゴツゴツしたロボは好みと真逆なので。

とりあえずもう何話かは見ます。

30分のギャグアニメを見るつもりで1話だけ見るなら超オススメです!

 

 

◎メタリックルージュ

オリジナルアニメ。ワンカットで分かるクオリティの高さ。見る気にさせるには十分なスタート。主人公が可愛い(画像左)、見る気にさせるには十分なスタート。タイトルは中々にダサいけど。

 

人間とアンドロイドが共生する未来世界の話で、主人公の女の子もアンドロイド。

主人公は何かの組織に属しているのかスパイのような任務をしている。

アンドロイド同士の派手な戦闘もあり、サイバーパンク色もある結構シリアスな話。

 

ストーリーがこれからどうなっていくか分からないが、作画レベルはかなりいい。

アニメ制作はBONES。何を隠そう僕はBONESのアニメが大好きで、ハイクオリティな作画で有名なスタジオとしては京アニProduction I.G.、A-1Pictures、ufotableMAPPAなど他にも色々ありますが、一番好きなのがBONES

ハガレンなどを代表として原作付きアニメはもちろん、オリジナルアニメも良いのが多い。

特に戦闘シーンの作画は他のスタジオと一線を画してる、と個人的に思ってます。モブサイコの戦闘シーンとか最高でした。

 

そのうえ今作は監督が出渕裕メカニックデザインで超有名なベテランですが、僕が好きで好きで死ぬほど大好きでハマりまくったアニメラーゼフォンの監督さんなんですよね。

そのラーゼフォンから19年ぶりに出渕裕BONESとタッグを組んだ作品らしくて、エンドロールでBONES出渕裕の名前を見た時は興奮しました。

 

作品の世界観的にはそこまでツボではないんですが、これはもう見るしかない。

鼻息荒めで見ます、はい。

 

 

◎姫様”拷問”の時間です

漫画原作。ワンカットで分かるクオリティの高さ(2回目)。

 

ジャンプ+作品ということで勝手に期待値あっぷ。

 

物騒なタイトルだがそれはフリで、魔王軍に囚われた姫が情報を引き出す為に拷問をされるのだが、その内容が目の前で美味しい食べ物を食べられる!というもの。いわゆる飯テロをされるというなんとも下らないもの。普通にギャグアニメですね。

1話では食べ物だけだったが、今後食べ物以外も出てくるのかも。

 

作画レベルの高さとほのぼの具合で1話は楽しく見させてもらいましたが、この内容でどう展開していくのか。見続ける価値があるのかは微妙なとこです。

 

あとギャグアニメとしてひとつ好みに合わないのが、姫の武器の意志を持って喋る聖剣があって(ちなみに姫はかなり強い)、彼がツッコミ役なんですよね。

拷問に負けて、たらふく食べ物を食べちゃう姫に聖剣が「姫ーー!!」みたいにツッコむんですが、それが中々に寒い。むしろツッコミいらない。ない方が面白いです。

これ漫画原作なので、漫画で読むとツッコミの部分もサッと流せると思いますが、アニメになると声優の派手な演技で思いっきりツッコんでくるので、ちょっとウザくなっちゃう。この辺はアニメと漫画の違いでしょうね。

 

とりあえず視聴継続ですが3、4話くらいで切りそうな予感。

 

 

◎外科医エリーゼ

韓国ラノベ。主人公は日本で天才外科医として働いているが、飛行機事故で死んでしまう。実は日本での人生は二度目(生まれ変わり)で一度目は異世界のお姫様で悪行を尽くし処刑されていた。

二度目の人生で一度目の人生を悔いていたところ死んでしまい、三度目の人生で一度目の人生の15歳の時点に戻ってしまう。

 

…………わかった?

 

文章だとむずい。要するに、

異世界お姫さま(処刑のち転生)→②日本の外科医(事故死のち転生)→③異世界お姫様に戻る。

ということ!三度目の人生で一度目の人生に戻ってきた主人公は、一度目で経験した処刑されるという未来にならないように人生を生きていく、という話。

めっちゃややこしいけど、なんだかんだ、

 

異・世・界・転・生・!

 

じゃねーか!でもこれとほとんど同じ話がちょい前にあったよね?上坂すみれが主役で。正直作画レベルはあまりよくない。ストーリーがどうなっていくか気にはなるが見続けられる気はしない。

とりあえず2話見て判断。たぶん切るけど。

 

◎ぶっちぎり?!

オリジナルアニメ。2つの武闘派グループが抗争している高校に転校してきた普通の高校生が幼馴染との出会いによって巻き込まれていくという話。

そこに加えて偶然見つけたアイテムで魔人を召喚してしまい、魔人から力を与えられるというファンタジー要素もあり。ランプの魔人みたいな。

 

絶対に見ないだろこれ、と思って見てみたら結構面白い。制作MAPPAだし。

1話ラストで戦うハメになる相手の声優が佐々木望で「おっ!」となりました。幽白世代には刺さる。

 

これは普通に継続です。

 

 

◎最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。

ラノベ原作。タイトルからして絶対に1話切り。1話切りを約束されたようなタイトル。

だと思ってたんですが。

 

神から与えられるスキルとそのランクが重要視される世界。主人公が5歳の時に授かったのは最低ランクのテイマースキルだった。家族に見放されたうえ、忌み子として命を狙われるようになった為、一人で村をでて旅をすることになる。

 

というストーリーだが、他の異世界アニメのように説明しまくるのではく主人公が一人でさまよっている姿を延々映しながら少しずつ状況説明をしていく。

登場人物もほぼ主人公のみで、ひたすら主人公だけが喋りまくる。

その演出がめちゃくちゃ丁寧!そして音楽が死ぬほどいい。全く見る気なかったのに引き込まれてしまった。

 

主人公が子供ということもあり、少しずつ分かってくる生立ちに同情し感情移入してしまう。これは演出勝ち。

一応主人公には前世(日本人だった)の記憶が少しあるという設定なので異世界転生モノでもあるが、たまに頭の中で前世の声が聞こえる程度なので今のところそこまで重要な要素じゃない。この要素はなくても成立すると思うけどな。

 

1話の出来がほんとに良かったので継続!だけど数話たって普通の異世界ものになってしまったら切るかもしれない。

 

 

ということで!これが僕が今期見たアニメ1話全部です。全21本?(適当に数えたからたぶん)

ブログに書くことを決めたので普段より少し力入れて見ました。

基本アニメはテレビ放送してるのをレコーダーで録画して見るので、テレビ放送なくてネトフリとか配信にしかないものは期待してたもの以外では見てない事が多いです。

 

全体的な印象としては相変わらず、

 

異世界ばっかだなあ!!

 

です。この流れいつまで続くんだ。まあ数が多い分面白い異世界モノもあるんですが、いい加減辟易するよね。

あと今期はエロいの多い(笑)。

 

どっちにしろ総合して今期はそこまで特別面白い作品はほとんどない、か、な!

フリーレンが続いてくれててよかった(笑)。

 

これは今期の話ではないですが、最近連続2クールの作品増えてきましたね。

昔は当たり前だったけど、制作の負担を減らすためかいつからか分割2クールや、結構期間があいてから続きというのがほとんどだったのに、呪術廻戦やフリーレンみたいな大作が連続でやったりして視聴者としては嬉しい。

 

とんでもなく続きが楽しみ!みたいな作品はあんまりなかったが、今回見た中で期待している作品は、

 

・メタリックルージュ

・俺だけレベルアップな件

・ぶっちぎり?!

 

くらいですかね。こうやって並べてみるとやっぱ少し弱い感じするけど!!

予想外に面白くなってくれる作品がある事を期待して……。

それではさようなら。

2024年冬アニメ 1話総ざらい!!!! ~前編~

久しぶりにブログを書くか、と。

 

という訳で毎期新しいアニメを見れるだけ見まくってる僕の、今期アニメ1話の感想をざっと書いていこうと思う。有象無象の中から、あるかもしれない大傑作アニメを求めて……。

とりあえず見た順で!

 

◎佐々木とピーちゃん

ラノベ原作。タイトルから何となく分かる日常アニメ感。とりあえずタイトルとワンカットめの映像見ただけで「これは、見ないな……」ともう切る準備に入る。

 

サラリーマンのおじさんが鳥を飼ってハッピー!みたいな内容で、こんなもん可愛い女の子が主人公でもない限り見れないよ!と。しかも初回1時間!地獄かよ!

 

と思ったらBパートでいきなり鳥が喋りだし異世界モノに!

転生系ではなく異世界と現実を行き来するタイプで、色んな出来事に巻き込まれていく感じ。絶対1話切り!と思っていたがもうちょい視聴決定。作画はそこそこ良い。

 

 

◎ぽんのみち

オリジナルアニメ。麻雀モノ!!!!!

世界一おもしろいゲーム、それが麻雀です。断言します。その世界一おもしろいゲームのアニメなんだからおもしろいに決まってる。女の子×麻雀では「咲-saki-」がありましたがあれもそこそこ好きでした。

 

で、超期待して見たのにさ!!!おもんね!!!

 

いや、主人公たちが麻雀知らないところから始まるのでこれからどんどん面白くなってく可能性もありますが。

とにかくギャグがキツイ。めっちゃくちゃキツイ。寒い。

後半で知らないながら麻雀を打つのですが、アカギなど麻雀作品のパロディをめちゃくちゃやってて、麻雀モノで麻雀モノのパロディをやる寒さ、しかもキャラは麻雀を知らない設定なのに麻雀ギャグをぶっこんでくる。脚本書いたやつ出でこいよ!

こういう視聴者をナメきったアニメが一番ムカつきます。

しかもこれオジリナルアニメなのでこういうキツイ内容を原作のせいにもできないからな!

 

キャラデザは五等分の花嫁の人がやってるらしいけど、絶妙に魅力がない。たぶん原案の時点では可愛いんだろうけど、アニメで可愛さを描ききれてないんだろう。作画も中の下といったところ。

 

とはいえ、麻雀好きなのでもうちょい見てやるよ。

 

 

魔法少女にあこがれて

漫画原作。魔法少女にあこがれる主人公が、よくあるマスコットキャラに見初められ魔法少女に!と思ったら敵対する悪の組織の女幹部にされてしまう。

嫌々ながらあこがれていた魔法少女たちと戦うが、いたぶられ悶える魔法少女たちに興奮してしまい、自分の本性があらわになっていく……みたいな話

 

とりあえず、見てるだけでどんどん知能指数が下がっていく世にも下らないアニメ。主人公が魔法少女を触手責めして興奮しちゃったりで、作画レベルは結構低いけどエロシーンだけは力が入ってて色々ギリギリだった。

マジでこのアニメを見ても何も得られるものはない。絶対に見なくて良い作品だろう。

 

けど、僕はもう少しこのアニメを見ます!

何故だろう。

 

 

◎異修羅

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ラノベ原作。剣と魔法のファンタジー世界。主人公の女の子の声が上田麗奈というだけでもう「勝ち」なんだが、キャラデザに全く魅力がない。こういう良くも悪くもない印象に残らないキャラデザが一番微妙。

 

主人公が女友達と百合百合してたら街がいきなり無人ロボの群れに襲われ、友達は目の前で手足引きちぎられてぶっ殺されてしまう。

いきなり衝撃シーン!興奮しました。変態なので。でも1話でこういう残虐シーン入れてくるところが、なんかあざとくてちょっと嫌でした。

 

で、絶体絶命のところをめちゃ強い剣士に助けられるんだが、主人公が感じたのは感謝ではなく絶対的な強者に対する憎しみだった。自分をちっぽけな存在に変えてしまう強者。

主人公は剣士がより強い者に殺されるのを見届けるために一緒に旅をすることを決意する。

 

とこんな話で、助けられてからの主人公の感情の推移はかなりおもしろくて、なんなら視聴者の感覚に一番近いのがこの主人公だと思う。

あと、wikiで少し調べたら主人公の女の子は登場人物表で結構下の方だったので、もしかしたらこの娘は主人公ではなく、単なる1話の語り部なだけなのかも。

1話ではまだ出てきてないが、キャストをみると三木眞一郎子安武人山寺宏一とかすんごいことになってるので力は入ってる作品なのかも。

 

とはいえ、この作品のようなちょっとダークなファンタジーみたいなのは僕の苦手な世界観なので、とりあえずもうちょい見ますが、最後まで見続けるかは微妙なところ。

 

 

◎即死チートがなんたらかんたら

タイトルをしっかり言う気すら失せるレベル。昨今溢れ返る異世界オレつえー」モノが生み出してしまった原罪。

 

高校の修学旅行中のバスが異世界へ。突然現れた賢者に全員能力を授かるが、主人公とヒロインは能力が発現せず、クラスメイトに見捨てられる。が、主人公が元々持っていた能力で無双していく。

主人公は「死ね」と言った相手を即死させるというタイトル通りのチート能力を持っていた。

 

まあチート能力はいいんだけど、主人公とヒロインに危害を加えようとしたクラスメイトの何人かを能力で即死させるんだが、全体的にコメディテイストな雰囲気で、嫌なヤツとはいえ躊躇なしにクラスメイトを殺す主人公と、目の前で主人公がクラスメイトを殺したのを見ても特に何のショックも感じてないヒロインにこいつら揃ってサイコパスか?と疑問に思った。

 

作画レベルも超低くてどうしようもない作品なんだが、こういう異世界チート系って1話で嫌なヤツを何人か配置しておいて視聴者にストレスを与えるというやり方をしてくる。次回以降にコイツらが主人公にボコられるところを見てスッキリしたーーい!!

という気持ちにどうしてもなってしまうので、こんだけしょーもない作品なのにちょっと見続けてしまうんだなぁ。敗北。

 

ということで次回、軽ーーーーーーーく見て切ります。

あとヒロイン役の富田美憂、結構売れてるけどロクなアニメ出てない説!

 

 

◎結婚指輪物語

漫画原作。ロード・オブ・ザ・リング、、、じゃないっ!!!

 

普通の男子高校生の主人公。と、なんとなーーーくいい感じの仲の幼馴染(ギャル)が突然引っ越すというので引き留めようと追いかけたら、実は幼馴染は異世界のお姫様でした!という話。

異世界異世界異世界異世界異世界異世界異世界…………

 

 

また異世界かよ!!!

 

 

もういいよ異世界!バカのひとつ覚えみたいに!!

 

ストーリーに戻ると、姫(幼馴染)と結婚して姫の持つ指輪の加護を得て異世界の魔王と戦う戦士になる!!みたいな流れになっていきます。

wikiであらすじ見ると、指輪は5つあってそれぞれ指輪を持つ姫がいるそうなので、5人の姫とハーレムするんだろーね、どーせ。エンディング曲の映像がやたらエロかったんですが、原作もだいぶエロいそうな。

結局エロ推しの中途半端な作品ということですか!

 

主人公の見た目があまりに特徴なくてマジいい加減にしろと思ってたんですが、なんだこれギャルゲーってことかよ。ギャルゲー無個性主人公の顔面だったのか。

 

最後まで見るか微妙ですが、ヒロインがいい感じのエロさで声も鬼頭明里なのでとりあえず見ます。

 

 

◎最強タンクの迷宮攻略

ラノベ原作。異世界転生ではないが、異世界オレつえー系か。

 

タイトルにある「タンク」は複数で戦うゲームで敵の攻撃の受ける盾になり味方を守るポジションのこと。HPや防御力が高い人がやるポジション。だってさ。

 

ストーリーはざっくりこんな感じ↓

勇者パーティーでタンクをしていた主人公が、特殊なスキルにより味方に迷惑をかけていたことが発覚して追放される→だがよく調べると主人公のスキルは味方の能力を死ぬほど底上げしていた。

 

まあ他にも9割5分くらい同じ設定のアニメが山程あったような気がします。主人公を追放してくる勇者もわかりやすーーーーーーく嫌なヤツ。

これもまあ、勇者が主人公の価値に気付いて絶望するところを見たくなるようになってますが、流石にこれだけの理由で見続けるほどの作品じゃない。作画レベルも低め。よって1話切りです。

 

 

◎ゆびさきと恋々

漫画原作。少女漫画原作のガッツリ恋愛もの、ということで見てらんない!

 

いや、作りはめちゃくちゃ良いです。

耳の聞こえない女子大生の主人公と健常者の男子の恋愛。1話はじまって結構すぐ二人が知り合って結構すぐ主人公は恋に落ちます。マジはええ。

 

耳の聞こえない女の子というとやっぱり聲の形を思い出すが、この主人公のいいところは「耳の聞こえない私なんかが……」みたいに自分を卑下しないところ。

まあ話が進んでいくとそいうのももしかしたらあるのかもしれないが、健常者の相手に対して多少の躊躇はあれど、ハンデキャップをあまり気にせず接する。

主人公の大学の友達も手話ができるわけでもないがごくごく普通に彼女に接していて、いい世界だな、と思う。

 

ただ、やはり少女漫画。主人公が恋する相手「逸臣くん」は初対面で頭ポンポンしたり、ぐいぐいくるイケメンで。存在自体がめちゃくちゃ嘘くさい。

女子が男子向けのラブコメ見たときは同じようなこと思ってるんだろうけどね!

まあ嘘くさいは言い過ぎにしても、なんか恥ずかしくて見てらんない!って感じでしょうか。

あまりにも砂糖が多すぎて僕にはこの飲み物は1話でお腹パンパンですよ。

あと主人公の名前が「雪」ということで、個人的に思うことがあるんだよね。

もしかしたら2話もちょろっと見るかもですが、たぶん1話切り。

 

 

◎望まぬ不死の冒険者

ラノベ原作。異世界ファンタジー系。

ソロ冒険者の主人公は迷宮で龍に食われ、死んだかと思ったら骸骨姿の魔物として蘇る。倒した魔物を吸収してどんどん強くなっていく(見た目も変わっていく)。みたいな話。

 

転スラとか、蜘蛛ですがなにか?みたいな感じ。

主人公の見た目がまたもや無個性でなんの特徴もなく「どうなってる!?」と今期何回目か分からんツッコミをいれていたが、すぐに骸骨姿になったので「ああそういうこと…」と納得。

人間の姿の主人公に意味はなかったのね。

 

多少興味はあるがそれなら転スラみときゃいいか、ということで1話切り。

 

 

◎魔都精兵のスレイブ

漫画原作。ジャンプ+ということと、アカメが斬る!の原作者ということで期待値が少し上がった、、、が。

 

魔都と呼ばれる異空間と繋がってしまった現代日本。魔都に迷い込んだ主人公がヒロインに助けられ、ヒロインの能力で共に戦う話。

魔都では特殊能力を得られる場合があるが、それは女に限るということで女尊男卑の世界らしい。

ヒロインが能力で主人公を使役する対価でえっろいベロチューしてくれる。←結局ここが一番重要。

 

ということで色々設定を並べてはいるが結局ただのエロアニメっぽいです!!原作調べたらヤバかった。

エロいのはいいんだが、作画レベルはかなり低め。低めなのは置いといたとしても1話見てて、全体的に画角?というか映像がなんかおかしいんだよね。

なんか変な寄りの映像が多いと言うか。元々引きで描いてた絵をズームして使ってるような。絵を描く人じゃないので適切な説明ができませんが。

絵コンテが悪いということなのか、、、うーーーん。とりあえずアニメ映像としてはかなりダメです。

 

でも見ます!!!!だってこれからエロくなるらしいから!!!!!

ヒロイン鬼頭明里だし……(なんかちょい前にも同じような事書いたような)。

 

まあでも流石に最後まで見るかは…………。

 

 

◎愚かな天使は悪魔と踊る

漫画原作。転校してきた主人公がヒロインと出会うんだが、実は主人公はある目的を持って人間界に来た悪魔で、ヒロインは悪魔と争っている天使だった。

ヒロインが天使だと気付かず下僕にされてしまった主人公。天使と悪魔の戦いが始まる!!

 

という体をとったラブコメですはい。ヒロインは佐倉綾音。あやねるは裏がある女の子の役がほんとに合うね。

だが、特に見どころはなそそうなので完全なる1話切りです!さよなら!

 

 

異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。

ラノベ原作。過労死した主人公が異世界転生して、大好きな動物をもふもふするために奮闘する話。

 

?????????????????????????????????????

 

前半5分で切ったので内容はよくわかりません。ただOP、ED主題歌が両方ともめっちゃ良かった。はい。

 

 

◎俺だけレベルアップな件

韓国のラノベ?原作。異世界とつながるゲートが出現した世界。それと共に特殊能力を持つ人間が出現し始め、異世界のダンジョンで取れる資源を求めてハンターたちがモンスターと戦っている。主人公は最弱で足手まといだが、家族のためにハンターをやっている。

 

1話では突如出現したダンジョンを強引に進んだ為、あり得ないレベルの敵にパーティーの半分くらい殺されるみたいなところで終わったので、主人公がこの後どうなるかはまだ分からない。

ま、

 

どーーーーーせ最強になるんでしょ?????????

 

と思いますが。違ったらごめん。でも上の方で書いてきた有象無象の異世界モノに比べたら中々面白かったので視聴継続です。

ハンター協会というのがあってその会長(恐らく超強い)の声優が銀河万丈なんですが、これは、やっぱネテロ会長を意識してるんですかね??

 

 

という感じで!!なんだかんだ作品数が多いので前後編に分けます。とりあえず前半戦は終わり!!

いやーーーーーーー今期も見たね。数多のクソアニメを。

でもこのクソアニメの山の中から世界に誇れる最高のアニメが産まれるのであって、僕たちアニメファンはクソアニメの存在にも感謝しなければならないのである。きっと。

 

あとはもうそろそろ、

 

異世界勘弁して!!

 

……ではまた後編で。

 

 

すずめの戸締まり、感想。

前回、新海誠との馴れ初めを書いたので今回こそはすずめの戸締まりの感想を書こうと思う。もちろんネタバレありありよ。

 

 

『すずめの戸締まり』

 

ほしのこえ」から数えて新海誠劇場8作目の映画。

なんだかんだ言いつつもう8作目なのか、と感慨深くなる。

 

今回は劇場公開に先駆けて冒頭12分をアマプラで先行公開してたりしたが、完全ノータッチで劇場へ。

見に行くの決まってるんだから、必要ないよね?

 

最近プロモーションで数分を先行公開するアニメ映画多いけど、正直それきっかけで見に行く事なんてないし、見る気の映画は見たい欲を我慢しなきゃだし、良い事ない!

 

まあ閃光のハサウェイなんかは、なんとなくyoutubeの先行公開を見ていたお陰で配信始まった時に見やすかったりしたので、やっぱりそれなりに効果はあるんだろうけど。

 

とにかく心待ちにしていた公開日、仕事の合間に映画館へダッシュ

 

「天気の子」は君の名は。のフォーマットを引き継いで作られた映画だったから、ある意味安心感あったが今回は君の名は。から数えて3作目。

ここで当てるかコケるか、大事なとこだぞ、とドキドキしながら席へ。

 

事前情報をほとんど入れる事なくの視聴。

 

とりあえずヒロイン(すずめ)の声が、君の名は。、天気の子のヒロインの声と全く区別がつかない。

別にこれは批判ではないんだけど、新海誠の趣味というか、ヒロインには「無垢」を凝縮した声が毎回当てられるなぁとしみじみ。

 

新海、お前無垢な娘が好きなのか。真っ白な娘が好きなのか。

 

まあこの辺はジブリも同じですけどね。

 

草太役の松村北斗(SixTONES)も特別上手くはないんだけど、違和感なく見れた。

メインの二人がガッツリ声優じゃないし、周りにも本業声優じゃない人が多かったので違和感が生まれにくいというのもあったと思う。

 

肝心のストーリーは……説明めんどいので、もし見てない人はwikiのあらすじでも見ておくれ。

すずめの戸締まり - Wikipedia

 

まず、テーマが地震という事で、どえらいテーマを持ってきたなぁと。

事前情報をシャットアウトしてたからなんとなくしか覚えてなかったが、劇中で緊急地震速報が流れますよ、と注意喚起されてたのだった。

 

最初に地震速報のアラームが鳴り響くシーンだけで、やっぱり結構な緊張感が走った。

僕は関西人なので東日本大震災は直接被害にあっていないし、阪神大震災は経験したが、子供だったうえにそこまで影響のなかった場所に住んでた。

 

唯一、2018年にあった大阪北部地震ではかなり揺れた場所に住んでて、揺れだした時に「今日死ぬかも」とリアルに思った。

 

自分が体験した地震と、映像で嫌というほど見てきた東日本大震災の光景。

今の日本人は「地震」というワードや地震のアラーム音で即座に「死」を連想出来るようになってしまった。

 

それはアニメの中の表現であっても同じで、自分だけでなく映画館の空気が一瞬で変わるのを感じた。

それも映画スタートから10分で起こったから観客は気を抜くヒマもない。

 

そこから最初の扉を閉じるまでのテンポ感は絶妙で、扉を閉じた瞬間にタイトルバックがドン!!!!

 

 

 

最高のアバン、きたっ!!!!

 

 

 

震えた。いやぁね、これはもうね、優勝ですよ。

マーーーーージでカッコ良すぎた。

 

一応説明するとアバンとはアバンタイトルの事で、映画とかアニメでオープニング曲やタイトルが出る前に流れるシーンの事です。

 

そもそも映画にはアバンと呼ぶほどのシーンがないものも多いですが、現在のTVアニメではほぼ100%と言っていいくらいあります。

これも2000年代のアニメくらいからだと思いますね。90年代より昔のアニメは必ずオープニングテーマから始まってました。

 

なので「アバン」はどちらかというとアニメ勢の方が馴染みがあるかと思います。

実際アニメ映画にはアバンがあるものが多いですしね。

 

でも新海誠はこれまであまりアバンにこだわっている感じはなく、君の名は。も天気の子も「静」か「動」か、で言えば「静」のアバンで、しっとりと始まっていたイメージで特別印象はなかった。

 

僕の中でアバンの天才、と言えばやっぱり「破」以降のエヴァ新劇場版だ。

冒頭から盛り上げるのがめちゃくちゃ上手く、アバンの段階で見る気スイッチをグイッと押され、タイトルバックで絶頂を迎える。

 

もうね、イッちゃう、のよ。

 

すずめの戸締まりはまさにそうで、タイトルバックが出た瞬間。マジでイキましたよ。素直に射精です。すみません。

信じられない人は今すぐアマプラで冒頭12分を見て下さい。タイトルバックまで全部公開されてるので。イキますよ、マジで。飛ぶぞ、マジで。

 

こんな事されちゃうとね、この時点でもう評価がある程度決まっちゃうよ!

 

マジで冒頭12分は芸術作品の如き映像です。新海さんはこれに味をしめてこれからもアバンに気合入れまくり続けて下さい。よろしくお願いします。

 

まあでも!ちょっとだけ穿った見方をすると、こうもテンポよくアバンを見せつけられると、

 

あっ、僕たち観客は誠に信頼されてないんだな……

 

とも思っちゃいます。あれだけテンション上がっておいて何やねん、って話ですが、ここまでキャッチーに作ると言うことは客を飽きさせないように細心の注意を払って作られている感があります。

 

そしてこの映画はアバンからこの後ラストに至るまでゆったりしたシーンがほぼなく、凄いテンポ感で進んでいく。

ある意味それは、制作側が観客のレベルを低く見積もっているからなんじゃないかと……。

 

そう思ってしまうのです。君の名は。の時に「バカにでも分かる映画」と揶揄された、というような事をひとつ前のブログに書きましたが、そうなのです。

制作側が観客の大半をバカと判断したからこそあの出来なのかな、と。

 

まあ考え過ぎと言われればそうかもしれませんが、大好きな映画であってもこれくらいのノイズを感じながら見る方が、盲目になり過ぎるのを防いでくれるのでいいかな、と思ってます。

 

とりあえず、最高のスタートを切ったこの映画。

流れとしてはロードムービーで、主人公のすずめは九州から東北まで行きますが、正直その間に出会う人々は皆あまりにいい人たちで、すずめにとって都合の良すぎる展開だとは思いました。

 

まあそれくらいは見て見ぬふりをしましたが(笑)。

というか、神戸で出会うスナックのママ役の伊藤沙莉が上手すぎてその辺の意識飛んでしまった。

 

僕は兵庫県加古川市出身なので神戸と方言がほぼ一緒なのですが、その辺りは播州弁(ばんしゅうべん)と呼ばれる、いわゆる大阪人が使う関西弁とは少し違うんですよね。

それをあまりに自然に使いこなしてて、絶対違うと思いながらも映画鑑賞後、伊藤沙莉の出身を調べた程でした(ちなみに、千葉出身でした)。

 

同じスナックで働いてた女の子を神戸出身の声優、愛美がやってましたが、彼女の本場の方言と比べても遜色なかったですもんね。いやー、凄い。

 

で、内容に戻りますが、映像に関しては当たり前ですが更にレベルアップしてる感じはありました。

ありました、が、何と言ったらいいのか説明が難しいんですが、新海誠の映像はひたすらに美しくて最早それが非現実感を強くしている程だと思うんです。

 

それがどんどんレベルアップし、有能なスタッフが投入され作画レベルが現実に近付けば近付くほど新海誠っぽさ=非現実感が薄まっていっているような気もするのです。

 

 

昨日ブログに書いた、雲のむこう、約束の場所で感じた美しさとは何か少し変わってしまったような。

僕は彼の狂気を感じるほどに美しく、最早この世のものとは思えない世界観が好きだった。

けどそれが研ぎ澄まされるほどに狂気は薄まってきているように思える。

 

映像的には「言の葉の庭」辺りが一番好きかもしれません。

まああれは常に雨が降っていて画面の情報量が多いので、より美しく見えてしまうのかもしれませんが。

 

キャラデザに関しても、君の名は。から田中将賀さん(あの花でお馴染み)が参加され、よりポップさが増しましたが、これに関しても言の葉の庭くらいのキャラデザが一番好きだったりします。

まあでも言の葉の庭のキャラデザだったら君の名は。もあそこまでヒットしなかったように思いますが(笑)。

 

新海誠がOPムービーを制作した「ef -the latter tale(エロゲ)」

 

 

この映像がめちゃくちゃ好きで。この感じ、また見たいなー、なんて。

 

 

後は、地震を起こすといわれる「ミミズ」ですが、それに触れてミミズが崩れたり飛び散ったりする作画が凄くジブリだなーと。

こんな感じ。

 

で、扉を閉じてミミズが消える時の音とかその後に降る雨とかはまんまエヴァって感じで。色んなオマージュ?があったな。

 

ていうかこれを書くにあたり雲のむこう、約束の場所とかを少し見返したら庵野秀明っぽいアングルが結構あった。あんまりそういう見方してなかったから発見でした。

 

 

あ!

 

忘れていました、この映画で一番重要な事。

 

 

新海誠くんの性癖。

 

言の葉の庭の時は、これでした。

 

これねえ。誠くんはあれなのかな?足フェチなのかな?

このシーンなんて完全に性行為でしたもんね。良いんですかこんな事!

 

そして今回、すずめの戸締まりでも出てましたね。

 

子供用イスにされてしまった草太ですが、神戸のスナックで夜食を食べる際に何故か急に(夜中のテンションなのか)すずめに座られてしまいます。

まあイスだから問題はないのですが、触ればちゃんと体温もある人間の感覚を残したイスですよ?

それを座る動作をしっかりと作画したうえで、座らせています。

 

おい、こんなもん……

 

 

顔面騎乗やないかい!!!

 

 

いや部分的には胴体になると思うんですが、もう顔面騎乗みたいなもんですよあれ(笑)。間違いない。

 

でその後東京にて、草太の部屋で高所の荷物を取る為にまたもやすずめはイス(草太)に乗ります。

今度は裸足で脚立のごとく踏みつけます。

 

おい、誠……

 

 

おまえドMやないかい!!!

 

 

分かってた。言の葉の庭の時から分かってたよ。お前がドMの足フェチだという事は。

そんなお前が大好きだよ!!ドMで足フェチなお前が大好きだよ!!

 

だってオレも同じ性癖だから!!!!!

 

オレもお前と同じで、イスになりたいよ。

やっぱりお前は信用に足る人物だよ。

誠。ついていくよ。これからもずっと。

 

 

……安心したよ。

 

新海誠君の名は。でプロデューサーの川村元気と出会い、作家性を売り払い、成功を手にしたと言われたりしていたが、作家性はちゃんとここにあったんだ

 

あ、もうひとつだけ!「言の葉の庭」以降、花澤香菜を毎回キャスティングしてるよな?誠。

正直に言えよ。それくらい許されるよ。オレもお前と同じ立場だったらやってるよ。

 

 

お前、ただ花澤香菜が好きなだけだよな?

 

 

花澤香菜に会いたくて仕方ないんだよな?

 

 

仕方ないよ。可愛いもんな、花澤。いい声だもんな、花澤。

お前がうらやましいよ誠。どうどうとこんな事ができるお前が……。

 

 

 

と、まあおふざけはこのくらいにしておいて(性癖の件は事実ですが(キッパリ))。

 

物語が進むにつれ、すずめが母と死別したのが12年前だと分かった時から「もしや…」と思ってましたが、出身が東北だと分かった時点で鈍い僕も流石に気付きました。

 

まさか東日本大震災をがっつりストーリーに入れ込んでくるとは……。

明言を避けてはいましたが、すずめの母の死因は間違いなく東日本大震災

 

東北についた後で建物の上に船が乗り上げてるシーンがありましたね。

 

このインパクトは凄かったですからね。アニメで見ても一目瞭然。

言葉にしなくても全員このショットで全てを理解したでしょう。

 

僕的にはその前、既になくなってしまったすずめの実家跡のシーンでもかなり胸に来ました。

 

実は、僕は東日本大震災の約2年半後の2013年9月に「気仙沼ジャズストリート」というイベントに出演するために、仙台と気仙沼に行ったことがあるんです。

 

仙台は活気で溢れていましたが気仙沼はこんな感じでした(僕が撮った写真です)。

 

すずめの実家がこの時の光景と全く同じで、息を呑みました。

これが君の名は。から数え3作目のテーマか、と。

 

 

君の名は。は、三葉を救う事があの町の人々を救う事と同義になっている、女の子も世界も救う物語でした。

 

天気の子は、ひとりの女の子を救い、東京を水没させる事を選ぶ、世界を滅ぼす物語でした。

 

僕は天気の子のラストに衝撃を受けました。

いわゆるセカイ系の作品が好きで色々見ましたが、「世界を救うか、少女を救うか」みたいな流れになっても結局は奇跡が起きてどちらも救われるか、少女を救えないというオチがほとんどでした。

最終兵器彼女のように主人公にはどうしようもない外的要因で世界が滅ぶ事はあっても、主人公が自分の意志で世界の滅びを選択する物語を見た事がありませんでした。

 

しかも大ヒット映画で主人公がそんな選択をするなんて。

だからこそラストシーンの陽菜が祈ってるシーンは涙なしには見れなかった訳で。

 

 

そして今回は遂に、前2作の根幹に係わる東日本大震災に触れてくるなんて。

勇気がいっただろうと思うんですよ。こんなテーマ。まして君の名は。のように過去改変が出来るわけでもなく。特別な救いがある訳でもない。

 

でもみんなそんな現実に生きている。

 

すずめが周りの人との関わり合いを経て、自分で現実に向き合えたように、

現実世界ではみんなそうしていくしかない。

 

君の名は。でもない、天気の子でもない、リアルなお話を見た気がしました。

 

 

とは言え、ツッコミどころもある。今のところ一回しか見てないし、変なバイアスがかからないよう他者の感想や解説もほぼ見てないから、ちゃんと見たらわかるだろ!

と言われるかもしれないが、一応書こう。

 

まず第一に、「閉じ師」という存在は草太の家系だけなのか?

地震が起きるメカニズムが分かっているのであれば国家ぐるみで対応していておかしくないハズなのに何故あんなにヒッソリやっているのか?

日本が閉じ師専門学校でも作ってちゃんと対応していたら大震災なんて起こらなかっただろ!

 

って感じで、一番気になったのがこれかな。他にもダイジンの行動原理が今ひとつ分からなかったりしたけど、この疑問が一番大きかったな。

 

後、天気の子に瀧や三葉が出てきて、君の名は。と繋がった話だった事が分かったが、すずめの戸締まりでは東京が無事だったので別世界の話だという事か。

もしくは君の名は。と天気の子もあくまでパラレルワールド的なつながりなのか。

 

これはツッコミどころというか気になった点かな。

 

 

まあそういうツッコミを入れながらも、この作品が強く胸に刺さったのは事実で。

新海誠にはこの先も凄く凄く期待している。という感じでしょうか。

 

 

これからも地震の恐怖は日本人全てに降り注ぎます。

 

でも、これからは地震が起きた時に「ミミズがやったのかな、早く扉締めてくれよ!」と少しでも笑えるようになろう、と思った。

 

 

すずめの戸締まりは、そんな救いを少しだけ僕にくれた映画だったんだ。と。

 

 

 

 

……なんか急にカッコつけたら締り切らなかったな(笑)。

 

 

とにかく!そんなこんなで、「すずめの戸締まり」感想でした。

 

今回も面白かったぞ!新海!

 

新海誠との出会い

ついに。新海誠最新作、「すずめの戸締まり」が公開になったということで、その感想を語りたい。

とその前に、新海誠とは長い付き合いになる僕が、その出会いをまず綴ろうと思う。

 

僕が新海誠という存在を知ったのは約20年前。正確に覚えてはいないが、たぶん2002年か2003年はなずだ。

 

新海誠はゲームのOPムービーを作る仕事をしながら自主制作、それもほぼ一人で短編アニメを作り上げ、それが話題になって名が知れ渡った。

そのアニメがこれ。

 

 

ほしのこえ

 

これが発表されたのは2002年。

現在のようにSNSがなかった当時、ネットで知るという事はなく、夜のニュース番組で取り上げられていたのを偶然見かけた事により僕は彼を、「ほしのこえ」を知る事になる。

 

ほしのこえ」のストーリーはめちゃくちゃざっくり言うと、

地球と宇宙で離れ離れになったノボルとミカコは唯一の連絡手段のメールでやり取りをするが、二人の距離が離れるほどメールが届く時間がかかるようになり、二人はすれ違っていく…。

みたいな話。

 

ロボットに乗っての地球の存亡をかけた戦いがあったり、メールが届く時間が最終的に何年もかかっちゃったりとSF要素が多く、当時エヴァ以降に多くあったセカイ系に入る作品だと思う。

 

僕もその当時はセカイ系の作品にハマっていた。

ちょうど最終兵器彼女を読んだ直後だった事もあって、ニュース番組でちょっと見ただけなのにめちゃくちゃ興味を持った。

 

しかし!当時はアマプラやNetflixのような動画配信サービスも、Youtubeすらこの世になかった。

だからいくら一部で話題になっているとはいえ、個人制作のマニアックな短編アニメをどうやって見れば良いのか全く分からず……。

 

とりあえず次の日にタワレコのアニメDVDコーナーに行ってみたが置いておらず、当時は今ほどオタクではなかったので「アニメイト」という選択肢も思い浮かばず(そもそもアニメイトに置いてあったのかは分からないが)…………完全に詰んだ!!!

 

そう思うと今って本当に便利だよね。

「観たい!」と思った作品は家から一歩も出ることなく簡単に視聴できる。

 

そんな訳で完全に詰んだ僕は、ほしのこえを見る事が出来ないまま数ヶ月が経過してしまった。

が、遂に僕に天啓が訪れた。CSのアニメチャンネル、アニマックスでほしのこえの放送が決まったのだ。

 

録画までした僕は(当時はまだビデオテープ)擦り切れるほど見た。

切ないストーリーと、一人で作ったとは思えない映像。個人でこんな事が出来るのか、と衝撃を受けた。

 

そして、そんな新海誠が本格的に長編アニメを作っているという情報が。

 

公開日を心待ちにして映画館に向かった。それが、

 

雲のむこう、約束の場所

 

だ。当時はまだ公開規模も小さく、席数も少なめの映画館での公開だった。

 

ストーリーはめんどいので割愛するが、やっぱり衝撃を受けたのは映像だった。

 

教室の天井から吊るされた蛍光灯、線路、電車内に設置された扇風機。

全てが息を呑むほどキレイで、これまで見たどんなアニメにもない、現実に寄せた美しさなのに、現実よりも美しい。

自分が生きている世界はこんなにも美しいのか、とハッとさせられるような映像で、気付けば何故か涙が出そうになっていた。

 

今見返すと正直あの時のような衝撃はやっぱりもう感じられないが、あの時の衝撃が、僕が今も新海誠を好きな理由。追いかける理由なのだった。

 

それから僕は新海誠の新作が出るたび追いかけ続けた。

次の秒速5センチメートルが結構話題になり更に新海誠の名前は知れ渡った。

 

その次の「星を追う子ども」は正直あんまり僕には刺さらず、初めて「新海!オレが見たいのはジブリじゃねえぞ!」とツッコんだりしたけど、言の葉の庭が最高の出来で「やっぱり新海!」となった。

 

そして遂に君の名は。、公開。

 

もうめっちゃくちゃ面白くて最っっっ高!!!だった上に世間的にも君の名は。旋風が巻き起こるくらい超大ヒットした。

それまではなんだかんだ僕の、僕だけの新海誠という感覚だったが、君の名は。のヒットにより彼は国民的アニメ監督になった。

 

有名アニメ監督といえば宮崎駿庵野秀明ときて次に細田守がくるか新海誠がくるかって感じで、どっちかというと細田守が優勢、と思っていたが、君の名は。によって新海誠は完全に細田守をぶち抜いていった。と思う。細田さんも好きだけど最近微妙だからがんばってねーーー、応援してるよ(ヒソヒソ)。

 

だが!

 

君の名は。が超大ヒットし、視聴者が増えれば増えるほどそれに比例して批判的な感想も目につくようになってきた。

 

君の名は。は、バカにでも分かるようにお涙頂戴で作られた作品」

 

みたいに言われたりして、結構ショックだった。

なんだよ、秒速の時はみんな面白い面白いって散々持ち上げてたクセに……。と卑屈な気持ちにもなる。

 

そもそも僕が好きな「アニメ」というジャンルは見ている層が限られていて、それを好きな一部の人たちで分かち合うようなものだった。

それが2010年以降くらいから、特に君の名は。の2016年辺りくらいからはアニメ好きな人なんていうのは当たり前にゴロゴロいるようになった。

 

アニメがサブカルだった時代はもう終わり、今ポップカルチャーになった。なってしまった。

分母が増えた分、こういう批判も沢山目にする機会が増え、なんとも複雑な気持ちになる。

 

なんだよ!「君の名は。」を最高だと思ったオレは馬鹿なのかよ!!!

 

心の中で叫びつつ奥歯を噛み締めながらも、それでも、やっと売れに売れた新海誠に拍手を送った。

 

2004年。雲のむこう、約束の場所を観たあの時の気持ち。

あの時見つけた僕だけの新海誠は、遂に僕のもとから世界に羽ばたいていったのだ、と!!!(大げさ)

 

そして新海誠の物語は更に続いていくのであった……(すずめの戸締まり感想編へ続く)。

 

 

サイバーサイコは電気羊の夢を見るか?

見たんですよ。

 

サイバーパンク:エッジランナーズ。を。

 

 

 

……ていうか、お久しぶりです。

 

面白いアニメを見るたび「ブログ書こうかなぁ」と思うんですが、いやもう、めんどくさくてめんどくさくて!!!

本来こうやって自分が考えている事をダラダラ書き綴るのは好きで、だから令和にもなってブログ始めた訳なんですが。

それなりの内容で書こうとすると、めっっっっっちゃくちゃ労力がいるんですよ。

 

これまでのブログも、一回分書くのにそれぞれ最低でも3、4時間かかってるんですね。

だからその労力を想うと中々手が出ねぇんです。

 

その証拠に一つ前のブログはもう一年四ヶ月ほど前…………。時間って経つの早いよねぇ(遠い目)。

 

そして!一年四ヶ月ぶりに僕にブログを書かせる気になった作品が現れました。

冒頭に書きましたが、その作品が

 

サイバーパンク:エッジランナーズ

 

 

なのです。

 

何やら世界中で話題沸騰!らしく、配信スタートされてからしょっちゅう名前は聞いてたんですよね。

調べるとポーランドサイバーパンク2077」というオープンワールドで遊べるゲームが原作らしく、アニメが大ヒットしてゲームの同時接続者が激増したらしい。

 

そんな感じで評価はめちゃ高いんだがタイトルとビジュアルをなんとなく見た時に、あんまり僕の趣味ではないかなと思って見る気はなかったんです。

が、世間のあまりの空気に押されて見てみる事に。

 

内容は全く知らず再生したんだが、一発で見てわかるTRIGGERの作画。

 

 

「これTRIGGERやろ!今石洋之監督やろ!」

 

 

オタクも長年やってると、こういう時にしたり顔で監督の名前を出すよね。

 

今石監督といえば天元突破グレンラガン」「キルラキルが有名ですよね。

グレンラガンガイナックス制作、キルラキルはTRIGGER制作ですが、そもそもグレンラガンのメインスタッフがガイナックスを抜けてTRIGGERを作ったのでどちらも制作は同じようなものです。

 

話脱線しますが庵野秀明を筆頭にカラーメンバーが抜け、TRIGGERスタッフが

抜け、今やガイナックスはあんこのないたいやきみたいになってしまったね。

大好きなアニメスタジオだったのに、悲しいぜ……。

 

 

閑話休題

 

 

今石監督といえば世間的にはやっぱりキルラキルなんですが、僕の中ではガイナックス時代にフリクリというOVA作品の作画監督をした第5話が大好きで、その印象が強いです。

グレンラガンを見てもキルラキルを見てもフリクリの5話の人だ!と思ってしまう。

 

フリクリ第5話「ブラブレ」より。

 

 

のちにキルラキルとかにも受け継がれる、コミカルでケレン味のあるビジュアルが当時の僕には衝撃的でした(2000年)。

 

そして時は流れ、現代。ベテランオタクになってしまった僕には、グレンラガンキルラキルには当然楽しませてもらったものの今石監督、TRIGGERの作風にいい加減慣れてきて、なんなら少し見飽きてたりしてた。

良くも悪くもカロリーの高いてりやきバーガーみたいで、ベテランオタクにはちと重い、という感じと言えばいいのか。

 

実際評価の高いプロメア(TRIGGER制作のアニメ映画)も特に面白いと思えなかった。

 

そんな中、このサイバーパンク:エッジランナーズを見たのです(前置きなげーな)。

 

あ、ここからネタバレ全開なので、未視聴の方はそっとここを去って下さい。

見た人向けなので内容の細かい説明は省くのでぜひ視聴後にご覧ください。

 

 

 

 

とりあえずNetflix独占配信アニメということで、エログロなんでもあり(年齢制限16歳以上)ということは聞いてました。

そういう意味で刺激的なアニメではある。ただTRIGEGERのある意味リアリティからかけ離れた作画でやっているのでエログロシーンも特にキツいわけではなかったかなと。

 

まず!僕の個人的評価からいうと、まあ面白いと思ったからこうやってブログを書くに至っているわけですが、手放しで「最高すぎる!」という訳でもなく、世間評価が高すぎるような気もするし、世間評価に乗せられて僕自身の評価も上がっちゃってるような気もする。

 

けど結果的に自分の中に何かを残したのは事実で、それを今からここに書きつつ消化していこうと思う。

今この時点でもまとまっている訳じゃないんですよね。

 

 

まずヒロイン、ルーシー。声優は悠木碧さん。

 

 

僕は昔から彼女が好きですが、まどかマギカのまどかとかをやってる時の、いわゆる「萌え」っぽい声質は無理してる感じがしてあんまり好きじゃないんです。

けど地声を生かした低音で喋るのは凄くいいんですよ。演技もナチュラルに感じる。

聲の形の西宮結絃(ヒロインの妹)とか最高です。

そんな彼女の最高な低音演技を堪能できて凄く良かった。

 

ビジュアルも凄く好きですが、アニメスタッフがキャラデザの時点で原作スタッフの意見を取り入れていったらどうしても草薙素子攻殻機動隊)になってしまう、と言ってたのが面白かった。

やっぱこういう作品の根っこには攻殻機動隊があるんだなと。

 

 

そして準ヒロイン?のレベッカ

 

 

声優は響け!ユーフォニアムの主人公でお馴染み、黒沢ともよさん。

僕はユーフォで彼女の第一声を聞いた時に衝撃を受けまして。

声優っぽくないリアルな生っぽい、変にテンションの高すぎない演技に驚きました。子役あがりということで、その辺りも影響あるのかなと。

まあこのレベッカは常にテンションの高い役なんですが、当然というか、やはり黒沢さんの演技が最高でございます。

 

そもそもこのレベッカというキャラクターは原作サイドに「見た目が幼女で世界観を壊してしまう」と当初NGを食らったそうなんですが、TRIGGER側が、

 

「可愛らしいキャラクターがいるからアクションが映える。それに制作のモチベーションが段違いなんです!!」

 

と原作サイドを説得したそうな。

 

前半分かるけど後半(笑)。

 

初めて知りました。幼女キャラがオタクじゃなくて制作側のテンションをあげていたという事実に!!!

 

そうなんだ……。

 

アニメーターって幼女描いてるとモチベーションが段違いにあがるんだ……。

ポリコレなんのその。制作が効率化されてたなんて…………幼女バンザイ!!

 

という側面は置いといて、レベッカは見た目の幼女感と反して主人公のデイビッドを優しくカッコよく見守る存在で、大人気キャラになりました。

TRIGGER、名采配!

 

内容的には何もかも失った主人公がアンダーグラウンドな世界で自分の居場所を見つけ、その居場所や仲間を守るために自分を追い込んで破滅に向かっていく、という感じですね。

 

最近のアニメって主人公が不幸なパターン多いですが、ずっと続いてる日本の暗い雰囲気に合ってるというか、自分がそこまで不幸じゃなくても容易に想像できてしまうリアルさがそこにあるんですよね。

だからみんな共感するんだなと。

 

話の中間地点で兄貴的存在のメインが死んでその代わりに余計に頑張らざるをえなくなる。

グレンラガンでも主人公の兄貴的存在のカミナが死んで、そこから主人公が一歩成長するという展開がありましたが、あれは最後ハッピーエンドになるのでカミナの死も肯定的に受け取れるんですが、このエッジランナーズではラストああいうことになっちゃうので、なんとも言えなく切ないんですよね。全てが。

 

デイビッドは自分を改造してどんどん強くなっていきますが、その代わりにどんどん人間性を失っていきます。

最終話、ほとんど正気を保てなくなったデイビッドに死んだ母と勘違いされたレベッカがそれを否定せず母親として答えてあげるところなんてもう、今思い出すだけで泣けます。

 

そういうとこ含め、僕には最終兵器彼女に見えたんですよね。

 

 

兵器改造されどんどん正気を失っていく彼女(ちせ)と、それをなんとか受け止めようとする主人公(シュウジ)。

 

男女こそ逆転ですが、最終兵器彼女のようなどうしようもない切なさが大好きです。

 

結局主人公デイビッド含めほとんどの仲間は死に、生き残ったのはヒロインのルーシーくらい。

ラストに戦うアダム・スマッシャーにデイビッドは殺されるんですが、相手と相打ちにすらならない、ただ殺されてしまう、という流れにも驚きました。

 

ただそんなラストでありながらここまで評価が高いという事にも正直驚きです。

幅広く受け入れられようとすると、どうしてもハッピーエンドかそれに近いものでないとダメな気がしてしまうんですが、このラストがここまで受け入れられた事がなんか嬉しいですね。

 

まあその辺は演出次第、というか。

ラストのルーシーが月に行くシーンを見るとなんだかハッピーエンドなように見えてしまうんですよね。あまり悲壮感がないというか。

演出、という意味では圧倒的な存在感を放っているのが、楽曲です。

 

「I Really Want to Stay at Your House」

 

という曲が印象的に流れるんですが、とくに最終話でのこの曲の流れ方はもう神。神でしかない。

あまりにこの曲が良すぎて、この曲に感情が全部持ってかれてしまうんですよ。

 

youtu.be

 

単純に曲として素晴らしいんですが、アニメ見た後だと聞くだけで涙でてくる

もしこの曲が存在しなかったらそれだけで僕のこのアニメの評価30%くらいダウンしていたかもしれません。それくらい良い仕事してます。

 

そして.この曲をバックにしたデイビッドの

 

 

「月、一緒に行けなくてごめんな……」

 

 

というセリフ!

 

だいすきです。

 

まあ死亡フラグ、というか死にゆくもののセリフとしては超がつくほどありがちなんですが、僕こういう未来過去関係なく「やりたかったことが出来ない(出来なかった)」みたいな言葉が大好きなんですよ。

 

 

aikoさんの「二人」という曲があります。

 

その中に「後ろに立ってる観覧車に本当は乗りたかった」という歌詞があるんですよ(3:51~)。

youtu.be

僕、この歌詞が好きで好きで好きで好きで。

「乗りたかったのに出来なかった」という、過去の事なのでもうどうしようもないという切なさが、後悔が、このさりげない歌詞から溢れ出てきて胸を打つんですよね。

凄く小さな事なんだけど、忘れられない出来事なんだろうな、と。

 

「月、一緒に行けなくてごめんな」という言葉は未来に対して言ってますが、どちらももう実現出来ないという切なさ、という意味では同じで。

 

なのでこのワードが出てきた時点で号泣ですよ。もうダメだ。こんなもん。最高すぎる。

 

そんな訳で登場人物全員が刹那的に生き、駆け抜けていったサイバーパンク:エッジランナーズという作品は、僕の中では攻殻機動隊であり、最終兵器彼女であり、グレンラガンであり、アカメが斬る!であり、aikoでもあったなぁ、と。

 

こういうストーリーを見てると「いや街から逃げ出せよ!」とか「デイビッドは身体改造もうやめてもうちょい安全に生きろよ!」とか色々ツッコんじゃうんですが(実際ルーシーはそんな事デイビッドに言ってましたね)、以前「萌え作品」の分類のひとつとして凄くおもしろい定義があって、

 

 

『あまりにもピュア(純粋)過ぎてほとんど白痴の女の子たちが重病になったり死んだりするところを泣きながら見る』

 

 

とういもの。「白痴」って表現とか今していいんですか!?って思っちゃうが(一応、僕が言っている訳ではありませんよ!)、これめちゃくちゃ分かる。

 

エヴァ以降、特にエロゲ界隈で流行ったセカイ系の作品に多かったと思います。

 

ピュアすぎてほとんど白痴、とはどういう事かというと、純粋過ぎる性格が故に幅広く世界を見ることができず選択肢が極端に狭まってしまう

「こうするしかないんだ」という考えにしか行き着かず、破滅に向かってしまう。

 

って事なんですよね。ピュアすぎるというのは性格だけでなくキャラクターの年齢、境遇でも左右されると思います。

 

【魔法少女まどかマギカ叛逆の物語・中級編】彼女たちはピュアで純粋すぎて判断力を失ってるんです[新編] - YouTube

 

この動画で詳しく語られてます。面白いのでよければ。

 

この解説は「萌アニメ」に関してですが、このピュアすぎて白痴というのはエッジランナーズにも当てはめられるな、と。

 

「仲間を守りたい、自分の居場所を守りたい、何より一番大切なルーシーを守りたい。」

 

というデイビッドの純粋すぎる想いは、自分が破滅に向かう事でしか叶えられなかった。と言うことなんですね。

 

 

そんなこんなで!!サイバーパンク:エッジランナーズはめっっっちゃくちゃ面白い最高の作品!!!!

 

 

だったのか?

 

 

いや、ここまで語っておいて今更イチャモンをつけようという気はないんですが、あまりに世間の評価が高すぎるとやっぱり少し疑問にも思うというか。

これはベテランオタクの功罪というか、知識や経験が増えるからこそ疑問点も増えると。

 

まずこの作品を語る時に「エロ・グロ容赦なし!表現の規制がないのが凄い!」みたいに評価されてるのを凄く見るんですが、それ自体が評価対象になっているのが疑問です。むしろ逆じゃないですか?

 

「表現の規制がある中、こんなに面白い作品を作ってるのが凄い!」なら分かるんですよ。規制が緩いんだから好き勝手できるのは当たり前というか。

 

もちろんそういうの抜きにしても面白い作品だから評価されてるんでしょうけど。

 

最近はSPY×FAMILYリコリス・リコイルがめちゃくちゃ流行りましたが、どちらもそこまで流行るレベルの作品なのか正直疑問だったりするんですよ。

 

いやどっちもめちゃくちゃハマってるし、リコリス・リコイルなんてここ数年で一番、尋常じゃないレベルで感情移入してドハマりしてたんですが、ね!!!千束さいこう!!!

 

でもそれは僕がオタクだからであって、オタクがすみっコで「おもしれーーー!!!!」

と言ってるだけ、と思ってたらSPY×FAMILYなんて社会現象レベルで流行ってて、オタクが恥ずかしかった時代からアニオタやってる身からすると「え?」って気持ちになるんですよね。

 

単純にアニメというジャンルがもうサブカルという枠を超えちゃっただけの話なんでしょうが、未だにそういう気持ち悪さというか、違和感はあります。

分母が爆発的に増えたから面白いという声も広がりやすくなったんたろう。

 

なので実際面白かったし泣いたしオープニング曲早速ベース弾いちゃうくらいにはハマったんですが(↓動画、見てね!)、世間の声についていけるほどではないかも、と思ってました。

youtu.be

 

そんな中、アニメ全話見終わった次の日、電車に乗りながらYoutube見てたんですよ。

 

僕は外国人のアニメリアクション動画が好きで、好きなアニメがあったら結構リアクション動画を探すんですが、このエッジランナーズのリアクション動画を見ながら電車に乗ってたんです。

最終話のリアクション動画を見ながら「やっぱそこ驚くよねー!とかそこ泣いちゃうよねー!」って思ってたら、その”泣いちゃうシーン”で、

 

 

気付いたら涙ボロボロ出てきてて。

 

 

マスクしてるし、電車の中だから恥ずかしいし、「電車の中で泣いてる変なやつ」に見えないように必死で涙拭いてました。

 

でも、その時気付いたんです。

 

 

「あれ、俺、このアニメめっちゃ好きじゃん。」

 

 

って。関東弁です。もう。

 

いくら昨日見て結構面白かったアニメだったからといって、アニメ本編でもない、本編が断片的に流れるだけの外国人リアクション動画を見ただけでもこんなに泣いちゃう(しかも電車の中で)自分。

これはもう大好きじゃないですか、と。

 

だからこうやってブログに書くことにしたんです。

 

 

人生で一番面白かったアニメ、トップ10は何ですか?

 

と聞かれても正直この作品は入らないような気がするんです。

でも、実際いま、僕の心には強く刻まれているんですよね。

 

以前Twitterリコリス・リコイルについて「千束が好きだから生きて欲しいけど、リコリコをいち作品として見るなら千束は死んだほうがいい」みたいなことを書いたんですが(実際はひろゆきメーカーで喋ってもらいました(笑))が、詳しく言うと、

 

千束が死んだら僕はショックを受ける。ショックを受ける事によってリコリス・リコイルという作品は僕の胸に傷として残り続ける。

 

って事なんですよ。リコリス・リコイルが大好きだったから僕はリコリコにショックを与えて欲しかった。傷つけて欲しかったんです。

そうしてより忘れられない作品にして欲しかった。でも結局僕は千束が大好きで、死ななかった事が心底嬉しかった。

でもそのせいで、リコリス・リコイルは僕に傷をつけそこなった。

 

 

二・律・背・反!!!

 

 

自分で書いてて気持ち悪いなーーーと思います(笑)。

 

そしてリコリス・リコイルとは逆に、このサイバーパンク:エッジランナーズは僕に傷をつける事に成功したんですよ。きっと。

たぶん僕だけじゃない、世界中の色んな人たちに傷をつけた。だからこの作品がいまこれだけの評価を得ているんだろう。

 

そう思ういます。

 

 

月、僕もいつか行ってみたいですね。

 

 

劇場版 少女歌劇☆レヴュースタァライト ~その終わりと私~

西暦2021年6月4日金曜日、緊急事態宣言により延期されていた劇場版 少女歌劇☆レヴュースタァライトが遂に公開!

 

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緊急事態宣言延長により、また延期になるんじゃないかとやきもきしていたが延期はなく、大阪の映画館も6月より平日のみ営業再開。これには一安心。

 

しかしチケットの事前予約は制限され、当日の0時より予約解禁となる。

もちろん夜のうちに予約するつもりだったが、平日公開だし流石にすぐ売り切れるということはないだろうと…………

 

完全にナメていました。

 

一応0時直前にアラームをかけて忘れないように予約サイトにログインして、まだ余裕のある席をじっくり選んで購入!

 

しようとしたらエラー表示が……。

 

ん?なんだ?

 

なんだよ。遂に公開と意気込んで予約しようとしてんだからスッといってくれよ!

多少イライラしながら、再読み込みをかけると、、、

 

さっきまで2割くらいしか埋まってなかった席がもう5割ほど埋まってる!

そう、エラーが出たのは同じタイミングで席をチョイスした人が先に購入してしまったから。

や…………

 

 

ヤヴァイ!!!!!

 

 

f:id:Bass_yasuyuki:20210605032638p:plain

 

システム、侵食されています!!

 

 

僕は焦りながら別の席をチョイスし直してすぐに購入ボタンを…………

 

 

エラー。

 

 

二度目のエラー!恐る恐る再読み込みをすると、、、もう8割くらい埋まってる!!

 

 

ヤヴァイヤヴァイヤヴァイヤヴァイ!!!

 

 

f:id:Bass_yasuyuki:20210605032802p:plain

 

システム、あと数秒で乗っ取られます!!!

 

 

必死で席をクリックし、購入ボタンをオン!!!

 

 

 

購入、完了。

 

 

 

映画観る前に、力尽きました……。

 

そんな必死な戦いを前夜に経つつ6月4日、映画館へ。

 

事前情報として今回は「卒業」がテーマということで、遂にスタァライトが終わってしまうのかと。そう言われても、何となく信じられなかった。

まだまだ僕はスタァライトされていたいし、そもそもTVアニメが終わった時にこれは続きを作るのは無理だろう、と思っていたのに劇場版が作られその先が見られる事になった。それじゃあ新作劇場版ののちにTVアニメ2期、なんて事もあるんじゃないかと妄想していた。

それが「卒業」というワードで消え去った。まあそれでも美しく終わってくれるならいいか、と頑張って自分を納得させ席に着く。

 

それにしても僕は同じ年にエヴァスタァライトという大好きなアニメから卒業しなくてはならないのか、と何とも言えない気持ちになる。

 

複雑な感情の中、スクリーンに映し出されるキネマシトラスのロゴ。

 

遂に、始まる……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーはい。観終わりました。

 

ストーリーを順に追っても仕方ないので思い付いた順に語ります。

 

 

まず!この映画のMVP。決定しました。それは……

 

 

 

 

 

花柳香子さんです!

 

 

 

 

 

まさかの。香子さんです。

 

もちろん香子も好きなキャラクターではありますが、そこまで注目していた訳ではありませんでした。

 

それがですよ。

 

皆が進路について色々考えている中、葛藤する女、”しょうもない”女、花柳香子。

 

 

ご存知でしたか?関西人の口癖第1位「しょうもない」。え?ほんとに1位かって?関西人の僕が事実しょっちゅう使ってる言葉なんですから1位に違いありません。

 

とにかく、香子のイントネーション完璧な「しょうもな」にはモラトリアムの期間に感じる全てが詰まっていてそれだけで胸が苦しくなりました。ええぞ!伊藤彩沙

 

そして双葉、香子のレヴュー。

 

このレヴューは、最高だった。

 

香子の全てがここに出てた。

 

彼女が「しょうもな」と言っていたのは、過去のレヴューで結局トップスタァになれなかった事で味わった敗北感や挫折感、そしてそれを受け入れてしまっている周りへの苛立ちから。

 

と言うような発言はあったが、いや、もちろんそれもあるのだが、結局は自分への相談もなしに違う道に進むことを一人で決めてしまった双葉への煮え切らない想い。これに尽きる。

 

そしてレヴューではそれが爆発する。色んな表情、仕草、声で双葉を責める香子があまりに魅力的で気を失うかと思いました。演技に関しても伊藤彩沙の全てがあのレヴューに詰まっていたと思う。

 

”まだ”1回しかこの映画を観てはいないが、一番見返したいと思っているのはこのレヴューだ。最高!よっ香子!

 

 

 

次は推しの大場ななさんについて。まさか推しより先に花柳香子さんの事を語りたくなってしまうとは思ってもいなかったですが、彼女についても語りたいことはいっぱい。

 

 

その前にまず、この映画ですが……

 

 

ストーリー、ないよね?

 

 

ストーリーをまとめると、9人は卒業を前に友人に対してもやもやしていた気持ちをレヴューで吐き出して成仏しました。そしたら自分の進路、未来に迷うことなく進んでいけるようになりました。卒業!

 

って感じ?

 

いやディスりたい訳じゃないんだよ。実際こういう事を書いたらマイナスに捉えられそうで書きたくないなと思ってたんですが、映画のパンフレットを読んで安心しました。

 

樋口さん(脚本)「よく監督が仰っているんですけど、レヴュースタァライトって実は物語がないんですよ」

 

ほら!スタッフさん、いや監督が言ってるじゃん!いや、この後には「キャラクターの感情で物語が進む」とも仰ってますので何一つ物語がないという訳ではもちろんないんですよ?

これはTVアニメの頃からそうだったと思うんですが、劇場版という2時間の尺にすると余計にそれが顕著になるという話で。

 

しかもよく考えると、今回の映画ってやっていること、ストーリー自体はTVアニメの焼き直しでしかなくない?と思う。

9人がレヴューに巻き込まれ、それにより成長するという。新作劇場版でありながらロンド。ロンド・ロンド・ロンド・ロンド。ではないか。

 

 

 

 

いや!ディスってません!怒らないで!

 

 

 

 

これは僕が実際感じたことなので一見悪く言っているように見えても書かねばならんのだ。

 

 

そうだ。アンチ扱いされる前にこの新作劇場版の評価を言っておきましょう。

それは、

 

 

1億点です!!!!

 

 

小学生みたいな点の付け方で逆に嘘っぽいけど、マジよマジ。

TVアニメの時からずっと思ってたけど、何故こんなにおもしろい作品がもっと多くの人に見つからないのか不思議で仕方ない。この気持ちは今回の映画で更に大きくなって、なんなら観てる最中もずっと思ってた。

 

何故、このとてつもない作品が、もっとメジャーにならないのか、と。

 

いや、さっきストーリーがないとかディスってたくせにどういうことだよ、とツッコみたいあなた。違う。違います。

むしろシン・エヴァのときにも抱えてた想いが今回で固まった。

 

 

映画に、ストーリーなんぞ、いらんのですよ。

 

 

すいません、ちょっと極端に言いました!

でもね、シン・エヴァを観る前のブログで僕は謎の解明に興味などない、と書きました。

それはストーリーに対して興味がないということなんです。

 

もちろんストーリーこそが重要な作品もありますが、映画というジャンル自体が結構そいうもんなんじゃないかと。

 

そもそも「映」「画」ですよ?映す、画、ですよ?

 

僕は映画というのは映像体験だと思ってます。最近そう思うようになりました。

僕がマトリックスが大好きなのも、クリストファー・ノーラン監督が大好きなのも、今まではSFなストーリーが最高!と思ったんですがそれだけじゃなかった。

どちらも僕に最高の映像体験をさせてくれたんですよ。

 

エヴァの新劇場版を観てるときもどんな「画」、ビジュアルイメージを見せてくれるのかというワクワクが大きかった。

 

そしてスタァライトもそうだったし、そういう意味でこの劇場版はとてつもない映像体験をさせてくれた。

 

いまだかつて観たことのない「画」をいっぱい観せられ、「こんな映像、どうやったら思いつくの!?」と思った。

 

それは、「こんなストーリー、どうやったら思いつくの!?」という感情よりも一段高いところにあるもので、だからやっぱり、映画に重要なのは画作りなんだと。

 

Youtubeで公開されている冒頭映像にも映っている、横たわる東京タワーの上にいる華恋からカメラがグッと引いて対峙するひかりとの全体像が映し出されるシーン。

あの画を観ただけで、あ、この映画、もう勝ち確定……かちかくだよ!!

と思いました。

 

実際劇中の映像はどれも胸に刺さる刺激的なものばかり。

電車の吊り革に衣装がぶら下がってるのとかは幾原監督っぽくも見えましたが、どのレヴューも今まで観たことのない映像体験ばかりでした。

 

「レヴュースタァライト」という世界そのものが、古川監督の映像表現を具現化する舞台装置なんですよ。そりゃあストーリーがないのなんて当たり前です。

 

だから、この映画は、

 

 

凄い映像を観た!!

 

 

というだけで1億点なんですよ。終わり!!

 

 

……いや、大場ななの話するつもりが終わっちゃったよ。結論はほんとそうなんです。

これはほんとエヴァと似た感覚。

 

 

話が大場、いやだいぶそれましたが、1800文字ぶりに大場さんのことを。

 

 

今回の大場さんはだいぶこじらせてましたね。いや、今回”も”というべきなのか。

冒頭からのななの不穏な感じというのは前回、ロンド・ロンド・ロンドのエンディングを観た人には全員分かっていることではありますが、分かっているからこそのドキドキ感がたまりませんでした。

 

 

ただ。

 

 

今回の映画で一番割りを食ったのが彼女なんじゃないかと、僕は思います。

 

前回ラストのフリからすると、また彼女を中心とした話になるんじゃないか、と思っていました。

でもこの映画で本当に終わりだとするならばそうは言ってられない。

結局「華恋とひかり」の話に収束していくしかないハズなのに、またななをフィーチャーする内容にして終われるのか?と。

 

観てみると、やっぱり「華恋とひかり」の話にベクトルは向いていた(かなり早い段階で) ので、ななが「進行役」を背負わされたようにしか見えなかったんですよね。

 

そりゃあ、あの電車の上での戦いは最高すぎて言葉で言い表せないくらいでしたし、純那ちゃんの首から血(ではありませんでしたが)が吹き出たときは、コロナで座席がひとつ空いているのを良いことに「マ・ジ・で・!?」と結構大きめな声を出してしまったくらいです。

 

 

「うろたえるな!!!」

 

 

って真矢様、無理です(笑)。うろたえるでしょ!あそこでうろたえない真矢様ヤバすぎですよ。

いやそれにしても皆殺しのレヴューって……ひぐらしを見に来たのか?って思っちゃいましたよ。

 

まぁここは映画のベストシーンになるんじゃないかってくらいだし、こういう場面を用意されている事自体がスタッフ陣の大場ななへの愛を感じます。

 

しかしここは結局導入部、ここからそれぞれのレヴューになだれ込んでいくので、このシーンの意味合いはストーリー上あまり関係ないんですよね。

そう考えるとロロロのエンディングには少し騙されたような気がしてしまいました。

 

なんだろう、僕が大場なな推しで彼女へ向ける熱が強いからでしょうか?

劇場版で彼女が舞台装置のように扱われていることに少しだけ傷ついたんです。あら、なんてピュアなんでしょう僕ってば!

 

とはいえ、純那ちゃんとのレヴューシーンだけは違うよ。彼女たちは舞台装置じゃない。

 

あそこは、ほんとなんとも言えない気持ちになりました。

 

双葉、香子のレヴューでは「ええぞ香子!いぇい!最高だぞ香子!もっとやれ!」みたいに、単純にめちゃめちゃ興奮しながら観てたんですがね……。

 

 

ななの純那へ向ける気持ちっていうのは、割り切った大人の目線で言えば、

 

他人を自分の思い通りにしようとしてんじゃねえ。

 

なんですよ。純那が自分の理想と違ってしまったからって、どうこうできる権利なんてないんですよ。結局は他人なんだから。

 

すごーく突き放してしまいましたが、ほんとそう思います。

 

 

でも!

 

 

僕は泣くんですよ。この二人のやり取りを観て。涙が溢れる。

 

それはもう自分が大人で、どんなに理不尽に見えても誰かにここまでの本音をぶつけて深く関わるということがもう出来ないから。

生きている以上誰かとか関わっている。けどどれだけ仲良くてもそこには気遣いという名の忖度が働きます。相手を傷つけないように、自分を傷つけないように。

 

でも彼女たちは若く不器用でそれが出来ない。

だからこうやってぶつかるしかない。それ自体はこの映画のレヴューシーン全てがそうですが……。

 

不器用ながら全力で、自分にはもう出来ない、出来なくなってしまった事をやっている彼女たちに胸を抉られる。

そう、僕がどうしようもなく泣いてしまうのは、

 

それが、眩しい。から。

 

よく、「年取ると涙もろくなる」と言いますよね。まあ僕は子供の頃から涙もろかったですが、これはきっと、眩しいものが増えるからなんじゃないかと思ってます。

自分がもう出来なくなってしまったことを沢山認識して、それが出来る人が眩しいんですよ。そして人は眩しい光を浴びると、泣くしかなくなる。

 

「涙で救えるのは、自分だけだから」 

 

これはシン・エヴァでの碇シンジの台詞ですが、ほんとこれです。

眩しい光を浴びて切なく苦しい自分を涙で救ってるんです。

 

大場ななの純粋でとても痛々しい想い。それをまっすぐ受け止めて撃ち返した星見純那。

二人が眩しすぎて、僕は泣くしかなかった。

 

そして彼女たちも別の道へ行く。彼女たちだっていつか必ずこんなぶつかり合いが出来なくなる日が来る。だから、だから今が、眩しい。

 

 

うーん、いかんな。純那とななは特に。

喋りたすぎてちょっと自己陶酔の域に入ってきちゃったのでこれくらいにしときます。

 

 

 

露崎まひるさん!

 

まひるの「大嫌いだった」というひかりへの台詞には鳥肌がたって、「よく言った!」とテンションあがりました。

役として言ったみたいな表現もされてましたが、やっぱりこの感情は確実にあると思います(TVアニメ5話参照)。 

これを言うことでまひるも思い残すことなく進めるし、なんだかんだ結局ひかりを華恋のところへ案内する役になっているところが、少し不憫でもありました(笑)。 

 

真矢クロに関しては、常に最強のポジションにいた真矢様よりも常に敗北感を味わいながらそれでも最強を超える事を目指し続けた彼女が結局一番強かったんじゃないかと。

てかクロちゃんって大人だよな、と今回凄く思いました。

 

 

そして肝心の華恋ですが、彼女の過去を色々観てまず思ったこと。

 

TVアニメ冒頭のキャラと違くね?

 

でした。TVアニメラストの華恋をイメージして観てるとオッケーなんですよ。

けど1話の華恋って、一人じゃ起きられなくて1年のスタァライトで主役取れなくても特に必死で頑張ってた訳じゃない、って感じだったと思うけど。

 

今回の回想シーン、華恋、めちゃめちゃ頑張ってるやん。こんなにずっと頑張ってて高校でこんなに一気にだらける?(笑)

と少し思ってしまいました。ひかりちゃんが覚えてくれているかという不安が限界にきて高校で糸が切れてしまったのでしょうか。

 

まあそんなことより中学生の華恋が男女3✕3でファーストフード店にいた事の衝撃でそこはどうでもよくなってしまいましたが。

 

こんなことで動揺、というか最早「こんなのネトラレだよ!」くらい思ってしまった僕のメンタルは貧弱すぎましたゴメンナサイ。

僕らオタクは最近ぬるま湯に浸かりすぎて防御力が完全になくなっていました。皆で反省しましょう。

 

とにかく現在の華恋は”ひかり”という存在一点のみで頑張ってこれた訳で、子供の頃の華恋が自分は特に好きでもないゲームを友だちとの繋がりの為に大事にしていた事からも分かるように、ひかりという存在がいなくなった時、自分が本当にやりたいことが見えなくなった。舞台に立つ意味を見いだせなくなった、と。

 

その空洞にもう一度ひかりを宿すための、華恋とひかりのレヴューだった。

TVアニメのラストで華恋はひかりを救った。なので今度はその逆をやると。

 

TVアニメでは彼女本人のアイデンティティに焦点があまり当たらず、ある意味ギャルゲーの主人公のような記号的な役割になってしまっていた華恋をきちんと人間にしようとしたラストだった。

 

ラスト辺りの華恋の台詞はもちろんそうだが、この映画は全体的に古川監督そのものなんじゃないか、という台詞がダダ漏れになっているように見えて、映像表現と合わせてかなり作家性の強い作品になっているなと思いました。

 

101回聖翔祭スタァライトの脚本を書いてた女の子が書くことが怖いと言うところなんてクリエイター全員が思ってることだと思う。

そもそも一連のこのシーンはなくても成立するのにわざわざ、それもしっかりと作られている。

そこで出てくるこの「創作が怖い」というのはどう聞いてもメタ発言にしか思えない。

 

僕自身の小さな話で恐縮だが、がっつりバンド活動をしていたときはメインで作詞作曲をしていたので、作った曲を初めてバンドメンバーに聞かせるときは怖かったし、ライブで初めてお客さんに披露するときも怖かった。

それこそ、

 

 

「しょうもな」

 

 

と言われないか。不安だった。それは自分自身を否定されるようなものだから。

だからこういう台詞の節々から監督の顔が見え隠れする。

 

特に華恋の最後の「レヴュースタァライトをやりきった」という台詞には息を呑んだ。

 

いやいや、全部さらけ出しすぎぃぃぃぃぃ!!!

 

ここまで言われたらもう続編がどうの、と何一つ言えなくなってしまった(笑)。

庵野秀明エヴァでこれを言うのに何年かかったと思ってるんだ!!

 

いやでももう清々しかったですね。

 

作家の全ては一作目に詰まっているとはよく言いますが、古川監督もこの少女歌劇☆レヴュースタァライトが初監督作品。

本当に全てを詰め込んだんじゃないかなと、それを痛いほど体感させられた2時間でした。

 

次に古川監督がどんな作品を作られるのか分かりませんが、次以降追っかけなくてはならないな、と思わせる初監督作品に、確実になっただろうと思います。

 

エンドロールですが、レヴュー曲の制作陣をテロップで確認したかったのですが、めばちさんが描いた「舞台少女たちのその後」から目を離せず全く観られませんでした。これは何回か行って目を高速で動かして観るしかないな……。

 

ひかりちゃんが九九組それぞれのところを巡るという構成になってましたが、肝心の華恋が「オーディションで会えない!」というところにまた凄く感動させられました。

もう彼女はひかりがいなくても舞台に立てるんだ、と。

 

そしてその華恋がオーディション会場で名前を呼ばれるところでこの映画は終わります。

 

このシーンですが、これまた凄くメタ的だなと。

そもそも九九組のキャストがオーディションで集まっている訳で。これはTVアニメの時から思っていましたが、オーディション(レヴュー)→トップスタァというのはキャストが日々味わっている現実と何ら変わらないんですよね。

 

このスタァライトという作品はキャストからするとメタ的な事が多すぎて、なんならやってて辛い部分もあったりするんじゃないか、とすら思ってました。

 

なので映画ラストがオーディションシーンというのは愛城華恋=小山百代そのままの構図になっているじゃないかと。

 

なにこれ、エモい……。

 

と思ってたらTwitterで流れてきた情報でラストシーンは実際にスタァライトのオーディションがあった現場と一緒で、華恋が着てた服も当時小山百代さんが着てた服と一緒だと。

 

なにそれ、エモい……。

 

なんにせよ予想、というか感じたことが当たってて少し嬉しくなりました。

 

 

……ふぅ。流石に疲れました。まだまだ語りたい部分はあると思うのですが、1回しか観てない状態だとこんくらいが記憶と指の限界です(パソコンの前にもう何時間座っているか分からない)。

 

また何かあれば追記しようと思います。

 

 

とにかく、こんな素晴らしい"体験"を出来て本当に幸せでした。

 

ありがとう。少女☆歌劇レヴュースタァライト

『ウマ娘』はタランティーノ映画!

 

ウマ娘』。

 

 

知ってますか?

 

 

今おそろしく流行ってるコンテンツです。アプリゲームを中心としたメディアミックス作品ですが、2021年2月のアプリリリースにより爆発的に人気が出ました。

内容としては実在の競走馬を美少女に擬人化したキャラクターを育成してレースで勝たせるという中々クレイジーな作品です。

 

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こんな感じですね。うん、可愛いです。

 

こういう美少女擬人化ってどれが始まりなんだろう?まぁ探したらとんでもなく昔からあるんでしょうが、記憶を辿ってみるとOSたんと呼ばれるWindowsのOSを擬人化したキャラが2000年代初頭に出てきて、その辺りからフィーチャーされるようになってきたような感覚があります。

 

その後、国を擬人化したヘタリア(これは男の子化)」、戦艦を擬人化した「艦これ」、宝石を擬人化した宝石の国など言い出したらキリがありませんが、最早擬人化というのは一大ジャンルになっている訳です。

 

そんななか彗星のごとく現れた「ウマ娘」ですが、アプリリリース以前から企画はスタートしていて漫画、アニメ、キャストライブなどはしてましたね。

僕は特にアニメ、声優系の情報に敏感なのでなんとなくチェックはしていて、アニメ1期の1話もリアルタイムで観てました。

が、そもそも競馬について全く知らないということもあり、なんとなく乗れなくて(競馬だけに)アニメは1話切りをしてしまってました。

 

ところが今回の超ヒットにより周りからアプリをススメられる事が多く、やってみるとあれよあれよと大ハマリ。

アプリである程度情報を仕入れてからアニメを一気観したのであった。ちょうど2期が終わったタイミングというのも良かった。ありがとうアマゾンプライム

 

で、アニメを観て感じたことを今回は語ろうと思う。

 

最初に言ってしまうとウマ娘のTVアニメは1期、2期共々めちゃくちゃ良かった。面白かった。そして一番思ったことは、

 

ウマ娘タランティーノ映画だ!

 

ということだ。

 やっとタイトルに追いついたが、僕はウマ娘タランティーノの新作として楽しんだのである。

 

アニメ版ウマ娘は1期と2期で主人公、フィーチャーされるキャラクターが違う。

 

1期→スペシャルウィークサイレンススズカエルコンドルパサーなど)

2期→トウカイテイオーメジロマックイーンライスシャワーなど)

 

という感じ。実在する(した)競走馬を擬人化しているため、基本的にキャラクターの設定やレース結果は現実と同じになる。

例えば1期主人公のスペシャルウィークは産まれると同時に母親が死に、産みの母と育ての母の二人がいるという設定だが、これは元になった競走馬スペシャルウィークそのままの話だ。

他にレース内容などもwikiで調べるとアニメを観るまでもなく「あー、デビュー戦は勝つのね」と、結果がわかってしまう。だが逆にそれが面白く、現実に起きたことがどういう風に再現されているのかという興味につながった。

 

特に僕は競馬知識ゼロ人間なので、気になったウマ娘の元になった競走馬を調べるということが楽しくて、どんどん知識が増えていっている最中だ。

ウマ娘は競馬を知っている人は凄く楽しめるし、知らない人には新しく競馬知識を仕入れる楽しみがある。

 

そして、知識を仕入れると、衝撃的な事実を知ってしまったりもする。

 

1期のメインキャラクター、サイレンススズカスペシャルウィーク憧れの存在として登場するが、競走馬サイレンススズカを少し調べるだけで出てくる……

 

1998年、秋の天皇賞のレース中に骨折し、安楽死になってしまう、

 

という現実が。Youtubeでも動画が簡単に見つかる。

 

ただでさえ悲しい出来事なのに擬人化され感情移入した状態でその事実を知ってしまうと凄く感情を揺さぶられる。

 

そして、アニメ1期7話でスズカが天皇賞に出ることになる。

それだけで史実を知っている人間はとてつもなくドキドキするのだ。

 

えっ、だって天皇賞に出走したらスズカは……。

 

エヴァ破でアスカが参号機に乗ることになったのを観た時の気持ちに似てる

どうなるのかハラハラしながら観ていると、やはりスズカは故障をきたし骨折してしまう。

だが、ここからが違った。骨折した彼女は死ぬことはなく、リハビリを終え無事復帰することになり、海外遠征まで行うことになる。

これはアニメファンだけでなく、競走馬サイレンススズカのファンをも救うことになったのでは、と思う。

 

「事実は小説よりも奇なり」というように、フィクションはノンフィクションに勝てないという意見もあるだろうが、アニメ、映画、漫画などフィクション作品が大好きな僕としては、フィクションが持つ可能性を信じている。

現実で起きたことをフィクションによって救うことは出来るのだ。きっと。

 

それを感じたウマ娘、1期7話だった。

 

そしてこれと同じことを以前からやっている男がいる。それが、

 

クエンティン・タランティーノ

 

だ。アメリカの映画監督で、パルプ・フィクションキル・ビル辺りが一番有名だろうか。

僕はタランティーノが結構好きなので殆どの作品を観ているが、最近タランティーノは「映画にノンフィクションを混ぜながらも、その事実を改竄しハッピーエンドに変更する」という作品を作っている。

 

例えばこれ、

 

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 イングロリアス・バスターズ

 

大雑把に言うと舞台は第二次大戦中ドイツに占領されたフランスで、ナチスに家族を殺された女の子(ショシャナ)が成長してヒトラーに復讐しようとするという話だ。

 

ショシャナは自分がユダヤ人だということを隠し映画館を経営し、ドイツのプロパガンダ映画を上映することでその上映会にヒトラーを含めたナチス幹部を呼ぶことに成功する。そして映画館を爆破して復讐を果たすという計画を立てるのだが、観客は知っている……

 

ヒトラーはそんな死に方はしない、ということを。

 

そう、この計画は成功しないのである。

僕も映画を観ながら、ヒトラーという誰でも知っている人物が登場することにより、この計画が成功しないであろうことを理解した。つもりだった。

 

しかし予想を華麗に裏切り、映画館は爆破されヒトラーは死に、ショシャナの復讐は果たされる。

それを観た時に僕は初めて、史実を扱うからといって現実と同じ結末にしなければならない、なんてルールはない!ということを知った気がした。

あくまでも僕たちが観ているのはフィクションで、その中にくらい希望や幸せがあってもいいじゃないか、と。

 

まあ爆死させられるヒトラー個人に関しては少しだけ気の毒に思わないでもないが(笑)。

 

このタランティーノ手法が最高峰に達したのがこれ。

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ブラット・ピットとレオナルド・ディカプリオのW主演で話題になった、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」だ。

 

この映画は1960年代後半、ディカプリオ演じるかつてTVスターだったが今は落ちぶれてしまった俳優「リック」と、ブラピ演じるリックの親友で専属スタントマンの「クリフ」の話。

二人の周りでは色んな事が起こるのだが、ストーリーのメインになる話が何なのか分かりづらく、「何をしたかったのかよくわからない映画」という感想の人も多い印象だ。

 

確かにその通り。この映画は一つの歴史的事件を知っているかどうかで面白さが全く違う。

 

映画でディカプリオはハリウッドの豪邸に住んでいるのだが、その隣に引っ越してくるのが、ロマン・ポランスキーシャロン・テート夫妻だ。

 

この夫妻は実在した人物で、ロマン・ポランスキーは当時売れっ子だった映画監督、シャロン・テートは売出し中の若手女優。

そして史実では1969年ロマン・ポランスキー不在の中、自宅で友人と一緒にいたシャロン・テートが、押し入ってきた狂信的なカルト信者たちによって惨殺される、という事件が起きている。詳しくはこちら↓

 

この事件は当時のアメリカに衝撃を与えた。それを知っている人がこの映画を観ればシャロン・テートが登場した瞬間にその先を想像するはずだ。

その辺りについて詳しい説明がないので、この映画は事件を知らない人にとってはよくわからない作品に感じるのだろうと思う。

 

そして肝心な内容だが、シャロン・テートが殺害されるまさにその日、自宅に侵入しようと近くをウロウロしていた犯人たちをリック(ディカプリオ)が「うるさい」と注意した事で、犯人たちのターゲットがシャロン・テートからリックに移るのである。

シャロン・テート宅ではなく隣のリック宅に侵入した犯人たちだったが、中に居たクリフ(ブラピ)は戦争帰りの手練れで、返り討ちにされ(観ているこっちが痛くなるほどのボッコボコだった)、残ったひとりなんてリックが過去の出演作で使った火炎放射器で黒焦げにされてしまう。

 

なんというカタルシス!(笑)

 

そしてラストシーン。

 

警察が駆けつけ騒然とするリック宅。外にいたリックにインターフォン越しにシャロンが話しかける。気を利かせシャロンがリックを家に招くところで映画は終わります。

 

そう、この映画の中ではシャロン・テートは殺される事なく幸せに生き続ける事ができたのだ。

 

所詮映画、されど映画。所詮フィクション、されどフィクション。

フィクションによってノンフィクションを捻じ曲げることのカタルシスを初めてしっかり認識させてくれた作品、それが「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」だった。

 

 

前置きが長くなったが、死ぬことなく走り続けるサイレンススズカを見たとき、この映画を観た時と全く同じ気持ちになったのである。

だからウマ娘は僕にとって新作タランティーノ映画、なのだ。

 

もしあの時ああであれば。こうであれば。

そんな夢を見させてくれるものがフィクションには詰まっている。

 

ウマ娘、アニメ2期においてもトウカイテイオーの度重なる骨折からの復活、メジロマックイーンの左脚部繋靱帯炎からの復活(こちらは可能性という希望を残している)を描き、スクリーンの中の彼女たちは走り続ける。

 

堅苦しく書いているが1期スズカのシーンや、2期の後半はずっと泣きながら見ていたくらいで、競馬経験ゼロでも大いに乗れたし(ウマだけに!)、単純に凄く面白い作品だった(特に2期は)。

 

個人的にはライスシャワー推しなので2期7話8話はほんと最高だったのだが、今回アニメで再現されることのなかった95年宝塚記念の悪夢をいつかタランティーノばりに吹き飛ばしてくれる事を、心より期待する。

 

 

日向マコトという男

2021年3月15日。昨日シン・エヴァを初見で観に行き、そして今日、早速2回目を観てきました。

 

なので昨日書きそこねた感想を追記しようと思ったんですが、真面目に語るよりちょっとネタ的な感想?を本気で書こうと思います。

 

 

皆さんは知っているだろうか?

 

日向マコトという男を。

 

知らない方のために説明すると、彼がそうです。

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◎オペレーター

◎メガネ

◎オールバック

 

絵に描いたような真面目青年です。

そして上記以外の彼の大きな特徴、それは、

 

 

葛城ミサトのことが好き

 

 

 

だ。ラブ、葛城ミサト、なのだ。

しかしこれはTVアニメ~旧劇までの設定で、新劇では全く出てきません(もしかしたら間違ってるかも)。

新劇場版ではアスカ→加持、リツコ→ゲンドウ、などシンジを絡まない恋愛要素は全て省かれている。その設定変更に伴い日向→ミサトも全然出てこないのだ。

 

新劇ではQ以降伊吹マヤのキャラが立ちすぎてしまって日向くんの存在感は旧エヴァに比べて薄くなっているが、オペレーターズのスター選手はやはり、日向マコト

 

そこでTV版の彼の純愛を追いつつ、彼を愛でていこう。

 

 

ネルフオペレーターの彼は上司のミサトが好きだ。だが好意は内に秘めている。

 

そうこうしているうちに8話で急にミサトの元カレ、加持リョウジが現れた。しかも当のミサトは満更でもない様子。彼のメンタルはグチャグチャになっただろう(勝手な予想)。

そんな状態でマギを操作し、オペレーターをやってのけているんだからほんとスゲエぜマコト(もうここからは名前で呼びます)。

 そして始まるマコト、報われない恋の歴史。

 

 

11話でミサトはクリーニングに出してた衣類をマコトに取りに行かせる始末。

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「ほんとズボラな人だなぁ」とか言ってますが頼られて内心ニヤニヤしてるのはお見通しです。なんなら服をクンカクンカしてる疑惑すらもっています。

マコトはきっとむっつりに違いありません(断言)。

 

しかもマコトが雑用をこなしている間にネルフ本部は停電し、ミサトはエレベーターに閉じ込められます。元カレの加持と一緒に(涙)。

 

 

マコト、不憫。

 

 

続いて20話。19話で暴走した初号機をなんとか停止させケイジに収容。

その前で会話するマコトとミサト。

いつまた急に動き出すかわからない初号機を前に、二人っきりということもあり、テンション上がっちゃったんでしょうか、場を和ませようとしてマコトは言います。

 

「迂闊に手を出すと何をされるかわからない。葛城さんと同じですね」

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わろてます。語尾も少しあげて「僕いまボケてますよー!」って感じ全開で言ってます。

 

しかしミサトは……

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無視。完全なる、無視。

 

酷いよ酷すぎるよミサトさん!まぁこの時シンジは初号機に取り込まれたままで助ける目処もたってません。そんな時に何言ってんだというミサトさんの気持ちもわかりますが、それにしても酷い。洗濯物を取りに行かせてた人に対する仕打ちとはとても思えません。

 

それを受けたマコトは小さく、

 

 

「すいません……」

 

 

と言います。ボケた後に謝るとか一番恥ずかしいですよ。

 

 

マコト、不憫。

 

 

そんな冷たい態度を取っておきながら22話ではエヴァ建造の情報を集めさせたり、24話では正体不明のカヲルの情報を得るために、マヤちゃんが管理してるシンクロテストのデータを盗ませたり……。

 

ミサト「すまないわね、泥棒みたいなことばかりやらせて」

 

と、一応謝りますがやめるつもりもないでしょう。

 

これは……この葛城ミサトという女は……

 

 

マコトの気持ちに気付きながら利用してやがんな!!

 

 

自分を好きな男を散々利用しつつ、自分は加持さんとベッド・イン。

これが、女のやり方か!!

 

 

「いつか!」と、ミサトとのワンチャンを期待しながらミサトの犬やってるマコト、不憫!!

 

 

そしてついに来る、マコトが一番カッコいい24話Bパート。

 

カヲルが使徒だと判明し弐号機と供にセントラルドグマへ。

アダム(実はリリス)と接触されるとサードインパクトが起こると言われてたので、カヲルがアダムまでたどり着いたら本部ごと自爆するようにこっそりマコトに指示をだすミサト。自爆したらもちろんみんな死んじゃうのでミサトは「すまないわね」、とマコトに謝ります。

 

そこで遂にマコトは言います。

 

 

「いいですよ、あなたと一緒なら」

 

 

い、言いやがった!しかもさらっと言いやがったぁ!

「月が綺麗ですね」ばりの名告白!よっ!カッコいいぞマコト!

 

しかしミサトの返答は、

 

「ありがとう」

 

お、大人な回答……。まあ戦闘中だしね。仕方ないね。

とにかく、

 

 

マコト、不憫。

 

 

そしてマコトとミサトの物語は旧劇場版へ。

 

まごころを、君に」で人類補完計画が発動し、人類が皆LCLへと還元されていきます。

心の補完が行われるので、LCLになる瞬間「その人が愛する人」が目の前に現れます。

 

ちなみに伊吹のマヤちゃんの場合はリツコ。

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涙流して喜んでます。マヤちゃん、ガチやったんだね……。なんだろう……

 

私、興奮します!!

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閑話休題

 

 

 

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冬月先生の場合はユイ。「碇、キミもユイくんに会えたのか?」と、念願叶って大満足な様子。

 

 

そして皆さんお待ちかね、我らがマコトは……

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引いてます。目前に好きな人が来て、引いてます!

 

マコト、お前、まさか…………

 

 

 

 

 

童貞やったんか?

 

 

 

 

 

どうしていいか分からなくなっちゃったんか?

とはいえ、なんだかんだ補完は完了し無事?LCLへと還元されるマコト。

でもなんか。

 

 

マコト、不憫。

 

 

こうして旧エヴァにおける葛城ミサト日向マコトの関係は終わったのであった。

 

 

では、新劇場版ではどうか?

 

前述したように新劇ではこんな要素がほとんど描写されていないので、マコトの持ち味がほとんど出てない。

 

 

そんな中、冒頭に書いた通り本日二度目のシン・エヴァンゲリオン劇場版を観てきた訳だが、僕は見逃さなかった。

 

物語後半、シンジがヴンダーに戻ったことで不満をあらわにする新オペレーター北上ちゃん。

その矛先はシンジに厳しい処分を下せない葛城ミサト艦長にも及びます。

 

北上ちゃんが「(ミサトの)信用度ゼロなんですけど」みたいな事言うと(細かいワードまでは覚えてない)、他の全員がミサトをかばうんですが、

 

誰より先に、

 

「艦長は贖罪している(ここも詳しくは覚えてない)」

 

的なことを言ってかばったのが……そう、もうお分かりですね?僕らのマ・コ・ト!

その瞬間僕は思いました。

 

 

コイツ、新劇の世界線でも、14年経ってても、ミサトのこと好きじゃん!!!

 

 

 

流石。流石です。庵野監督ですらマコトの愛の邪魔はできません。

 

やはり、ナンバーワンオペレーターは、日向マコトで決まりです。

 

 

皆さん如何でしたか?日向マコト、好きになってくれました?

 

 

タイトルには日向マコトという男、と書きましたが、

 

 

日向マコトという、漢。

 

 

と書くのが正しかったようです。

 

それではまた次回、青葉シゲルという男、でお会いしましょう。さようなら。

 

 続劇?

シン・エヴァンゲリオン劇場版とワタシ

時に、西暦2021年3月14日

 

公開より6日遅れて、やっと、行ってきました。

シン・エヴァンゲリオン劇場版という名前の新世紀エヴァンゲリオン卒業式」に。

 

式典の時間は155分。これは帰ってきてから失敗したなぁと反省している点ですが、ネクタイ締めてジャケットで行くべきでした。卒業式なんだもんね。反省。

 

とにかく、これまで新劇場版を共に観てきた友人たちと3人で映画館へ。

 

冒頭12分は既に観ている(30回程)ので僕にとってはそこからが本当の始まり。

あ、もちろんネタバレはありです。考察など高尚なことはできません。24年分の感想をひたすら語るだけですのでよろしくです。

 

前述した冒頭部分は2019年7月6日にフランスのイベントで上映され、その様子は日本各地の街頭特設スクリーンにて中継された。

混雑を避けるため場所の発表は当日となっており、僕は当日の予定を急遽変更して大阪会場(グランフロント大阪前)まで走った。

 

高橋洋子の小一時間に及ぶライブを見せられ(会場にいるほぼ全員がまだかよ!と思っていただろう(笑))、やっと上映開始。

冒頭はパリ、ユーロネルフ復旧作戦のとこですね。スタート直後から大興奮のシーンが続き僕は口元に手を当ててずっと震えていました。

前回も書いたように新劇のアバンの盛り上げ方はやはりとてつもない。

何が起こってるのかもよく分からないながらも、封印柱が作動してパリの街が復元されたシーンには「おぉ……」と声が上がっていました。こういう反応は映画館では中々起こらないから楽しかった。

 

この冒頭映像公開前に庵野秀明監督からのビデオメッセージがあり、そこで「僕はエッフェル塔が大好きでずっと憧れていて……」みたいな話があったんですよね。

 

そしたら、おい、

 

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ぶち折っとるやないかい。

 

おいおい、

 

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ねじねじしとるやないかい。

 

 

ここで、1990年に庵野秀明が監督を担当したTVアニメふしぎの海のナディアを観てみましょう。

 

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30年前にもぶち折っとるやないかい。大好きなエッフェル塔を。

 

庵野秀明の愛情表現というのは破壊で表現されるのですね!

 

 

というツッコミなどしながら、冒頭部分は進んでいきました。まあ、色んなことを置いておいたとしても、やはりエヴァの戦闘シーンは圧倒的にカッコいい。

 

そして冒頭シーンが終わり、遂に未見のシーンへ。

 

シンジはサードインパクト後の世界でなんとか生きる人々の村にたどり着いてそこで生活するシーンが続きます(半分くらいは無気力でしたが)。

このシーンは全く予想外で驚きました。

155分あるとはいえ、そこはエヴァ。とんでもない戦闘シーンばっかりが続くのか、となんとなく殺伐としたイメージをもってましたが、意外や意外。

大人になったトウジやケンスケの登場にも驚きました。

大人トウジって、時をかける少女の功介感、ない?

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ほら。まあ貞本義行なので当然っちゃ当然ですが。

 

 

閑話休題

 

 

90年代、まさにエヴァを起点としてセカイ系という言葉が生まれた。

 

セカイ系

セカイ系とは「主人公(ぼく)とヒロイン(きみ)を中心とした小さな関係性(「きみとぼく」)の問題が、具体的な中間項を挟むことなく、「世界の危機」「この世の終わり」などといった抽象的な大問題に直結する作品群のこと」(wikiより抜粋)

 

エヴァ以降まさにこういう「セカイ系」な作品が巷に溢れ、僕もその多数を摂取してきたし、セカイ系作品は僕の大好物だった。新海誠作品も大好きだし。

 

セカイ系の代表、スター選手だった昔のエヴァ。だが今回は少し違うと思っていた。

それがこのシーンで明確になったような気がした。

 

エヴァ序、TVアニメでは第2話にて第三新東京市を見下ろしながらミサトがシンジに「あなたが守った街」と言うシーンがある。

確かにシンジはエヴァに乗って使徒と戦い、街を守った。けど、街って?街って誰のことだろう。「街」は守ってるけど「人」は?エヴァが、シンジが守っている「人」がどんな人達なのか、その描写はほとんどない。出てくるのはシンジのクラスメイトくらいで、それも名前のわかる「トウジ、ケンスケ、ヒカリ」くらいだ。

 

主人公が生活している場所の社会活動がほとんど分からない。

これこそがセカイ系と言われるひとつの要因だ。

 

シン・エヴァではそこから抜け出して、リアルに生きる人々を描写していた。

それによってシンジが守っていた「人」、壊してしまった「生活」などが改めて、リアルに感じられた。

これは庵野秀明が歳を取った、ということなんだろうか、と色々考えることが出来たシーンだった。

 

 

ただひとつ、そんなことがどうでも良くなるくらい強く想った事があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

相田ケンスケに、なりたい。

 

 

 

I、wanna、be、KENSUKE AIDA.

 

相田ケンスケになって、アスカと一緒に暮らしたい。

相田ケンスケになって、アスカに「ケンケン」と特別なあだ名で呼ばれたい。

相田ケンスケになって、裸のアスカにバスタオルをかけてやりたい。

相田ケンス…………

 

 

ハッ!!

 

すみません。155分で一番リビドーが出た瞬間だった。

なんだよ相田、役割がレベルアップしすぎだぜ……。

 

その後、徐々に感情を得てその後LCLに還ってしまうレイに涙させられ(この手法何度目だよ!)、シンジとアスカはヴンダーへ。

ちなみにこの時ケンスケが撮ってたビデオカメラに「残1時間22分」と、録画できる時間の残りが表示されてましたが、これって映画の残り上映時間だったりするのかな?と思って観てました。確認は出来ませんでしたが。

 

 

そして遂にラストバトルへ。

 

ここからはもうノンストップでしたね。

 

出撃前のアスカがシンジに言います。

 

 

 

「あの時はアンタの事好きだったと思う。でも私が先に大人になっちゃった」

 

 

 

 

 

 

アスカァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!

僕は大人になってないからまだキミのことが大好きです!!!!

 

ラーゼフォンみたいなこというな!!でもラーゼフォンセカイ系なので先に大人になっちゃったヒロインとちゃんと結ばれるんだよ。でももうエヴァセカイ系じゃない。だからみんなちゃんと大人になるんだ。

 

「僕を好きだったって言ってくれてありがとう。僕もアスカが好きだったんだと思う」

 

このシンジの返答よ……。なんだよさっきまでウジウジしてたくせに。

もうこの辺から涙が止まらない。

 

まごころを、君に」の中でアスカがシンジに言うセリフはこう。

 

「アンタが全部私のものにならないのなら、私、なにもいらない」

 

なんといういびつな告白。ここから24年経つ(劇中でいうと14年か)とこんなに発言が変わるのか……。

 

 

エヴァの卒業式に来たのに、式が終わる前にいきなり好きな娘にフラれた……。

 

 

その寂しさに胸が痛んだ。

 

そしてヴィレとネルフの戦いが遂に始まり、激しさを増していく。

Qから既にそうだったけど、最早戦うのは世界の命運を背負わされた少年少女だけではない。大人もちゃんと戦うのだ。文字通り。こういうところもセカイ系からの離脱に思えた。

 

まあ事細かにストーリーを追っていっても仕方ないのでちょっとと飛ばしてラスト辺りへ。

ゲンドウが出てきた辺りからリツコがゲンドウを撃つ、ミサトが撃たれるくらいはありそうだなと考えていたので予想通りでした。全く知らない展開と思っていたらちょこちょこ知ってるシーンが混ざってくる。

 

卒業式自体は初めてだけど、式の最中は昔の思い出を次々と思い返すよね。

まさにそういう感覚だった。

 

そしてシンジとゲンドウの対決。

 

エヴァを語る上で「父と子の物語」だとはよく言われるし実際そうだけど、思い返してみれば旧劇場版でシンジとゲンドウはちゃんとむきあっていない。

 

ゲンドウ「すまなかったな、シンジ」

 

ってシーンがあるからなんとなく決着がついたように観てたけど、いやこの関係性全く解決してねぇ!

 

そしてまさかのゲンドウの独白。ゲンドウにはなんだかんだ全部言ってほしくないな、という気持ちもあったんですが、ここまでの流れで「完全にエヴァを終わらせようとしてる感」が出まくってて、それがこのシーンでより確定的に感じました。

 

対峙する初号機(シンジ)と13号機(ゲンドウ)。

戦っている場所が書き割りになったくらいから、

 

 

きたきたきたきたきたきた、

庵野秀明がきた!!!!!

 

って感じで僕の感情も着地できなくなってきました。

この辺りからもうずっと泣いてます。何故かは分からない。

 

そしてそして、シンジとゲンドウの対話シーン。

 

youtu.be

 

この曲がBGMで流れるんですが、これは旧劇でも流れるんですよ。

どこかと言うと、シンジがユイと最後に話すシーン。

 

この曲にのせて旧劇ではユイに、新劇ではゲンドウに別れを告げるんですよね。シンジは。

そして旧劇ではこの曲にのせて、ユイと冬月が話すシーンがあります。

 

ユイ

「ヒトはこの星でしか生きられません。でも、エヴァは無限に生きていられます。

その中に宿る、人の心とともに。たとえ50億年たっても残ります」

 

冬月

「ヒトの生きた証は、永遠に残るか」

 

 

これが、1997年時点での映画のラストです。エヴァは、永遠に残る。

自分が作ったエヴァンゲリオンという作品が永遠に残る。これが庵野秀明のあの時点での宣言でした。

(ちなみに僕はこのシーンが凄く怖くてここだけはあんまり見返したくないし、この曲も聞くの怖いんだよな……。)

 

そして24年という月日が流れ、今のところその通りになっている。

未だにみんなエヴァに熱中していて、僕もその中のひとりだ。

 

しかし、24年前と同じ曲が流れるシーンで今回シンジは父親と別れ、すべてのエヴァンゲリオンと別れることを選んだ。

24年前、永遠に残そうとしたエヴァを、シンジは、庵野秀明は全て、消そうと決めたのだ。

 

そして、レイと別れ、アスカと別れ……

 

 

 

 

ってちょい待て。

 

 

 

 

 

このまま熱く最後まで行こうと思ったけど、待て。

アスカの頭を撫でたのが、ケンスケ?

お、お前が本命なのか?アスカの?

嘘だろ?他に関係性あるキャラいなかっただけだよな?

だってあれだぞ、あいつTVアニメ第9話でアスカの盗撮写真学校で売ってたやつだぞ?

アスカ、考え直してくれ頼む!!

 

 

卒業式前に好きな娘にフラれたと思ったらネトられだった件!!!!

 

 

悲しい。旧劇のように今回も人一倍がんばってたアスカには幸せになって欲しいけど、これは辛い……。

 

 

とまあ、またリビドーに邪魔されましたが、続きです。

 

 

旧劇ラストと同じ砂浜で二人になるシンジとアスカ。

この辺の昔の場面の織り交ぜ方はほんとやばくて、卒業生の僕には耐えられませんでした。ほんとに涙が止まらん。

 

僕は前回のブログで映画のラストは「さらばすべてのエヴァンゲリオン!」とみんなで叫んで終わる、と書きましたが、あながち間違ってもなかったなと。

このセリフって映画のキャッチコピーでしかなくて、正直劇中では出てこないと思ってたんですよ。

 

でもこの言葉をシンジははっきりと言った。

 

 

 

 

 

ほんとにほんとにほんとにほんとにほんとーーーーーーーーーーーーに、

 

 

 

 

エヴァは終わるんだ。

 

 

 

 

 

そう思ったら拭いても拭いても涙が止まらない。なんならこれ書いてる今も思い出して泣いてます。ガチで。

 

そしてセカイは正常に戻り現在?へ。

大人になってる碇シンジ。迎えに来るマリ(ここはアスカが良かったな……)。

ラストシーンについて書く前に、エヴァという作品の終わり方について先に書きます。

 

この終わり方は漫画版に近いものがあると思いました。でも正直漫画を読んだ時はあまりにキレイに終わりすぎてエヴァ以外の作品であれば完璧な最終回だけど「これはエヴァじゃない」と思いました。

結果的にその漫画版のエヴァに近い終わりになった訳ですが、この155分という時間で圧倒的なものを見せられてきたその終わりがこれだと思うと、漫画版のときのような気持ちには一切なりませんでした。

この最終回を素直に、完璧に受け入れられた。

 

で、大人シンジの声、ですが。

 

神木隆之介

 

でしたね。

 

 

いや、どれだけの大役持ってくんだよこの人は!!

 

宮崎駿も!

 

細田守も!

 

新海誠も!

 

そして庵野秀明までも!

 

 

みんな神木くんに夢中かよ!!

いや、ほんと凄いよ。エヴァのラストだけかっさらっていくって、ほんとに凄いよ。

 

 

 

とまあ声優についても衝撃がありましたね。

 

 

 

そして、ほんとにほんとにラスト。

 

宇多田ヒカルOne Last Kissが流れ出した瞬間、僕の涙腺はもう何度目か分からない決壊をしました。

そう、この曲は、卒業生退場の合図なんですから。

 

 

シンジとマリは手を取り合って駅から出ていく。

 

そしてその世界は、実写だった。

 

現実の世界に、シンジ(庵野)は歩みだした。

 

この、現実の、実写の街を走るシンジを観た時、僕の涙はもう一段あがった。

友達と来ているし人がいっぱいいる映画館なので、泣いてても出来るだけこっそりバレないように、とは思ってるんですが、最後はもう我慢すら出来なくて、嗚咽混じりで肩を震わせながら泣きました。それこそ「まごころを、君に」のラストでアスカの上で号泣するシンジばりにです。

 

単純に僕は超がつくほど涙もろいので泣くだろうとは思ってましたが、自分でももう説明が付かないほどに涙が、嗚咽が止まりませんでした。

そのままエンディングロールになって少しおさまるかと思ったんですが、一番上の「庵野秀明」の文字を観た途端またひとつ涙のレベルが上ってしまい、One Last Kissが流れ終わるくらいまではずっと泣いてました。

 

 

エヴァが終わる。

 

エヴァが終わる。

 

エヴァが終わる。

 

 

24年間、ずっっと自分と供にいたエヴァが、終わったんだ。

 

 

中学、高校は3年。大学は4年。小学校でも6年だ。

でも僕は24年間ずっとエヴァといた。それが、終わった。

 

 

 

映画終了後「いやー、流石にあんな泣くとは思わんかった!」と言ったら、横に座ってた友人に「いや、引くわ!」と言われました(笑)。

どうやら横の人を引かせるくらいに泣いてたようですね!(当たり前か)

 

 

これが1997年にエヴァと出会い、2021年の今日、エヴァと別れた僕の物語です。

 

これまでのブログと違い、観てきた直後に思い出すままひたすら書いたので、かなり乱文だと思いますが、熱量優先で書ききってしまいました。

 

たぶんこの後も書きたかったこととか出てくるかもしれませんが、それはまたその時に。

 

そしてこの卒業式が普通と少し違うところは、

 

劇場に行けばまた式に参加出来る。

 

ということなのだから。きっとあと何回か行くと思う。

でもとりあえず今日言っておこう。

 

 

さよなら、シンジ。

 

さよなら、レイ。

 

さよなら、マリ。

 

さよなら、アスカ!!!!

 

 

 

さよなら、すべての、エヴァンゲリオン

 

ほんとうに24年間、ありがとう。

 

卒業、

 

 

 

おめでとう。

 

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(添付:卒業証書)

 

 

 

追記:主題歌「One Last Kiss」ベース弾いてみました。

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版とワタシ

前回のあらすじ!

1997年、僕は新世紀エヴァンゲリオンと出会い、その後の人格形成に多大な影響を及ぼす程の衝撃を受ける!

そしてその十年後、僕は再びエヴァンゲリオンと相まみえるのであったーーー!

 

 

ふぅ。彼氏彼女の事情の次回予告風に言ってみました。知らない人はYoutubeででも見とくれ。

 

前回は新世紀エヴァンゲリオンとのあれこれを書きましたが、今回は新劇場版のお話。

 

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2007年9月1日。待ちに待ったヱヴァンゲリヲン新劇場版:序が公開になった。

 

が。

 

あれ?あの十年前の大ブームは何だったの?

というくらい世間の話題としては小さかった。今の盛り上がりを味わっている人からすると、そんな事なかったでしょ当時も大盛りあがりだったでしょ、と言うかもしれないが、それ程じゃなかったんだな。

 

実際公開劇場数は少なく、劇場もTOHOシネマズのような大シネコンではなく、あまり大きくないテアトル系。僕が観に行ったのはシネ・リーブル神戸のせいぜい100席くらいしかないスクリーンだった。

しかも当時のシネ・リーブルはネット予約が出来ず、映画館での直接購入しか出来なかった(たぶん)。話題がそこまでだった、とはいえそれでもエヴァ。チケットが取れず、ひとつ時間を遅らせてしかも立ち見で観た。今まだあるのか分からないが当時は立ち見あったんですよね。

 

僕は通路の階段の上に座り込んで観た。冒頭に出るTVアニメ第1話と全く同じ「時に、西暦2015年」というテロップ。これだけで僕の目は潤んだ。

あの時観た碇シンジ。あの時観た使徒サキエル。あの時聞いた揺れる電線の音。

全てが僕を刺激した。とはいえ、序はキャラクターの作画を始めTVシリーズとの変化がほとんどなかったので落ち着いて観ていた。

 

そして迎えるヤシマ作戦

やってくるキラキラのラミエルちゃん。

霜降り明星粗品の悲鳴ばりの発射音で加粒子砲を放つラミエルちゃん。

形状すら変化させるノリノリのラミエルちゃん。

 

ひゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!

 

FATSOUNDS(GLAY)の歌詞みたいなテンションになりました。

いや最高すぎ楽しすぎかよ!!!

そして最早本編よりもテンションのあがった「破」の予告。

 

出撃するエヴァ仮設5号機!?

 

月より飛来するエヴァ6号機とそのパイロット!?

 

てか最後の女の子誰!?

 

パワーワードだらけ……。パワーワード、だらけ。

僕は席横の階段に座ってたので、すぐ横の男オタクの「マジか…」という言葉を聞き逃さなかった。

そうよね!そうなるよね!この予告ってば!

 

10年ぶりに会ったエヴァはそれほど変わってなかったみたい、と思ったら全然違うようだった。

あ、忘れるとこだった。ヤシマ作戦最大の名シーンったらこれしかないですよね。

 

 

「笑えばいいと思うよ」

 

 

前回僕はアスカ派だと断言しましたが、ここが名シーンなのは当然認めます。

で、この時の綾波レイの笑顔、皆さんはどれがお好き?

 

TVシリーズ第6話

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②劇場版シト新生「DEATH」(TVシリーズを作画修正した総集編)

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

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僕は圧倒的②番ですね。①の修正版が②なわけですが、当時これ観た時思いました。全く違うやん!と。これ最早修正なんてレベルじゃなよね。DEATHの中で最も力入れたところだと思う。①は作画レベルとかそういう以前に顔の色が悪い。ゾンビかってくらいの土気色。色が違うだけでもっとよく見えたと思うけどな。

新劇場版もキレイではあるんですが、なんか違うなあという感想に。こうやって観るとだいぶCGっぽいですね。なんかシドニアの騎士みたいに見えます(笑)。

 

そしてなんだかんだあって約2年後。

 

 

2009年6月27日。

 

遂に公開される、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

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いやぁ。最高だった。破が人生最高の映画なんて言っちゃう人もいるんじゃないかってくらい、みんな大好き、破。

僕は公開一週間のうちに3回観に行きました。その後1回行って合計4回観ました。ちなみに序は2回観てます。

 

これはヤバすぎた。そもそも単純にストーリー上盛り上がり必死な8話~19話をあれだけ上手にやって面白くない訳がない。

僕がTVシリーズで好きなのはやっぱり19話で、アスカが出てくる8話も大好き。

それをあんだけ観たことないシーンの連続でやられるとたまりませんよね。

というか、破もQもアバンでガツンと盛り上げてスタートするから盛り上げ方として最高なんですよね。

 

あとは新キャラ、マリが操縦する弐号機とゼルエルの戦闘シーンはほんとに神がかっててこのシーンだけだと何十回観たかもう分かりません。

特にこの時のマリの作画が躍動的で大好きなんですが、おそらくTRIGGER(キルラキルなどでおなじみ)の作画陣がやったんではないかと。この時のマリってキルラキルっぽいと思いません?

 

何もかも最高の破なんですが、昔のエヴァと違いエンターテイメント大作に落とし込まれてなんとなく「クサイ」と感じてしまうところも少しだけ。

 

ダミープラグでアスカの乗った3号機をグッチャグチャにした初号機。

その後ブチ切れたシンジは親父のゲンドウに「父さんも大切な人を失えばいいんだ!そうすれば分かるよ!」って言いますよね。ゲンドウの動機って最初から最後まで失った嫁、碇ユイに再び会うためで、何も分かってないシンジのセリフがゲンドウに一番刺さっちゃった!ってシーンな訳です。

にしてもこのセリフが取ってつけたような感じで「いやこれゲンドウの事情分かっててワザと言ってるやん」としか思えないんですよね。シンジのセリフじゃなく脚本家が考えたセリフにしか聞こえない。

TVシリーズの時はこんな「分かりやすい」セリフじゃなかったので、ここはいつもちょっと笑ってしまいます(笑)。なんかわざとらしくて。

 

と、こんな文句を言いつつも見返した映画ナンバーワンかもってくらい大好きです。破。あ、マリもすき。

 

 

そしてそしてそして、待たされまくった3年後。

 

2012年11月17日

 

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 公開!

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当然、序、破、Q全て公開初日に劇場へ。

冒頭のアスカの戦闘シーンでテンションマックス。やっぱエヴァって最高!最高!最高!

 

…………なんだこれ。なんなんだ父さん!何をしたんだ!エヴァに何をしたんだ!

 

知らないシーン。そりゃそうだ。破にだっていっぱいあった。リメイクなんだもの当然。

でも、それにしても、なんだ?船?葛城艦長!?これが、エヴァ

 

あ、そうか。もうちょっとしたらシンジが「ハッ!」って病室で目を覚ますんだな。そうに違いない。

違い、な、い?あれもう10分経った。あれあれ?15分経った。あんまり長いと夢オチ辛くなるよ?

 

…………あ、これ現実なのね?

 

ドキドキしながら観てた。このエヴァは、ちょっと……。

 

 

結果的に結構な数のエヴァファンから叩かれたQ。僕も観てる最中、途中までは「こんんなの嘘だっ!!」って思ってたんですが、なんだかんだシンジがネルフにたどり着いてカヲル君と会ったくらいからだんだんいつものエヴァに見えてきて(不思議)、なんだかんだ受け入れてました。

 

だって新劇場版なんだもん。昔と同じもの見せられても、ね?

 

単純に作画レベルは神がかり的に上がっていってQはどのシーンも素晴らしすぎてずっと観てられるんですよね。

 

僕は自分の中に溶け込んだ90年代のエヴァと、新劇場版のエヴァは同じでありながら全くの別物と捉えてます。

 

エヴァ庵野秀明の完全なる私小説で、庵野秀明という個人が自分を削り落として血だらけで作った作品。

もちろん新劇場版にもそういう側面はあるだろうし、事実魂を削ってエヴァを作り「Q」公開後に鬱になったと庵野秀明は語っている↓。

www.khara.co.jp

 

が、世紀末という当時の時代感とマッチした旧エヴァと同じ見方を、2021年にはもうできない。Qのぶっ飛んだ内容もAir/まごころを君に、の監督の身を切ったぶっ飛び方とはまた別のように見える。

なんだかんだQは理性的だ。ちゃんとした大人が作ったように思う。

 

前回書いたように当時は年齢もあり、エヴァの謎に迫るために考察本を買い込んだりしていたが、今回のエヴァは前述した捉え方もありそんな風に観なくていい、と思っている。

 

だからよく言われているループ説とかあんまりどうでもいい。

僕は以前のレヴュースタァライトの感想ブログでも書いたようにループものが大大大好きだ。

でもそれをエヴァに持ち込まれると、90年代僕があんなにも夢中になったエヴァ、あの世界すら結局ループの1つでしかなかったのか、と少しだけヘコむ。

なんだか薄められたような気持ちになるのだ。

 

だから月に棺桶が並んでて、開いてる数だけループしてる。とか、ネブカドネザルの鍵、とかについて全く考えたことがない。

 

だってそんな事しなくても、意味なんて分からなくても観てて最高に楽しくて震えるくらいのエンターテイメント。それがヱヴァンゲリヲン新劇場版なのだ。

少なくとも僕にとっては。

 

だからシン・エヴァンゲリオンがどういう終わり方になろうとも僕はきっと楽しめるだろう。

 

Qでエヴァの呪縛」という言葉が出てきて、シンジたちエヴァパイロットが年を取らず14年経ったという事を聞いて「いやそれオレのことじゃん!!」と思った。

1998年にREVIVAL OF EVANGELIONで一度エヴァが終了して、2012年のQ公開まで14年。ずっとエヴァに呪われて、縛られてきた。そんなエヴァファンのひとりが僕です。はい。

 

だからシン・エヴァンゲリオンのキャッチコピー、

 

「さらば、全てのエヴァンゲリオン

 

はこれ以上ない言葉だった。

 

 

 

そんな訳で僕が予想するシン・エヴァンゲリオンのラストはこうだ。

 

 

シンジ「よし、みんなで一緒に叫ぼう!」

 

 

登場人物と観客全員

「さらばすべてのエヴァンゲリオン!!!」

 

 

これできっとみんなエヴァから解き放たれるだろう。