ベーシストのアニメ語り 〜時々音楽〜

ベーシストが音楽よりも優先してアニメ、映画などオタクコンテンツを語るブログです。

新世紀エヴァンゲリオンとワタシ

時に西暦2021年。3月8日。

 

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遂にシン・エヴァンゲリオン劇場版が公開される。

 

当然僕は公開初日に劇場へ……と言いたいところだが、なんと、色々あって僕が観に行くのは3月14日になる。正直気が狂いそうだ。誰かキング・クリムゾンを使ってくれ。キング・クリムゾンの能力で3月8日~14日の6日間を消し飛ばしてくれ。

 

しょうがないので僕はこの6日間ネット、特にSNSから完全に姿を消してスタンドアローンで生きていこうと思う。

その前に、僕にとってエヴァがどういうものだったのか喋りまくろうと思う。だってもうすぐお別れなんだもん。エヴァと。

 

 

僕が新世紀エヴァンゲリオンと出会ったのは西暦1997年夏。当時碇シンジと同じ中学生だった。

世の中では今の鬼滅の刃のような空前のエヴァブームが訪れていて、今ほどアニメ、オタクなんてものが世に受け入れられていない中でほんとに信じられないほどのブームが起こっていた。

中学校の靴箱の上には誰が買ったのか分からないUCCコーヒーのエヴァ缶がズラッと並び、エヴァを見たことある人にもない人にもその存在感を放っていた。

 

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だが、僕の住む地域ではテレビ東京系が映らず、TVシリーズは放送されていなかった。そんな事情もあり、ブームなのは知りつつも未視聴状態だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『エロいシーンあるよ、エヴァ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

これまでどれだけエヴァエヴァと叫ぶ友人たちを見ても心が動かなかった、観る気のなかった僕の心を一気に動かした言葉だ。

今でもこの言葉を放った友人には感謝している。

 

97年の夏休み、僕は友人と奈良旅行に来ていた。そして帰りのバスが出る1時間前、この言葉を聞いた。

そこからの僕は速かった。近くの商店街の本屋さんに当時3巻までしか出ていなかった漫画を買いに行った。いや、買いに走った。

だが前述の通り当時は空前のエヴァブーム。ない。何軒本屋を巡っても置いてない。なんとか1巻だけを見つけて買ったが1巻にはエロいシーンなどはない。なんなんだ、騙しやがったな、どこがエロいんだ、エロいシーンをよこせ。

暴走状態だった。バスに乗り家に帰ったあと、その友人に3巻までを家に持ってこさせた。まあそこで見られるのは綾波レイの全裸くらいだったし、そこに関しては期待外れだった。

 

ただ漫画3巻の時点(ヤシマ作戦まで)で単純に面白くてハマってしまっていたし、「アニメにはこの先、エロいシーンあるよ」という更なる友人の言葉もあり、レンタルビデオというカタチでTVシリーズにも手を出し始めた。

漫画でヤシマ作戦まで見ていたということもあり、僕がレンタルビデオで初めてみたエヴァアニメは第7話、8話が収録されている4巻だった。

 

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8話。

 

アスカ、来日。

 

僕はここで惣流・アスカ・ラングレーと出会う。

先に宣言しておこう。レイorアスカどっち派かという論争はよくあるが、僕は圧倒的にアスカ派だ。まさに圧倒的。なんでだろう、レイには心動かされないんだよね。ハルヒでは圧倒的長門派なのに。

とりあえず8話でアスカに出会ったことで僕のエヴァ熱は更に加速する。

 

当時は全26話中20話までしかビデオリリースされておらず、今のようにネットで探せるなんて世界でもなかった。我慢できずシナリオ集(要するに脚本)を買って文字だけで21~26話を「読んだ」。

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ただでさえ訳のわからない25、26話を脚本だけで読むとどうなるか……いやわかるはずねぇ。

 

とにかくこうして僕はエヴァ全26話をクリアした。その頃には友達の「エロいシーンあるよ」なんて言葉は彼方に霧散し、意味のない言葉に成り果てていた。

 

ただただ。ただただただただただただ、エヴァンゲリオンは面白かった。

 

そしてその当時はちょうど1997年、夏。

 

そう、まさに今、公開されているのだ。

 

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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(THE END OF EVANGELIONが。

 

早速友達と見に行った。その頃には例の「エロいシーンあるよ」君より僕はエヴァに詳しくなっていた。

冒頭のシンジ君のオ○ニーシーンにいきなり頭をぶん殴られ(よく考えたらあのシーンアスカがおっぱい丸出しになってるのにそっちに気がいってる人誰もいない。僕含め)、大興奮のエヴァ弐号機とエヴァシリーズの戦闘シーン、まごころを君にが始まってからの超展開、ラスト「気持ち悪い」から静まり返ったまま明転する映画館。

あの空気を当時劇場で味わえたのは宝だと思う。

 

この劇場版を経て僕はもう、エヴァとひとつになってしまった。20話の碇シンジ状態。

毎日毎日毎日毎日エヴァエヴァエヴァ

授業中プリントの裏にエヴァを描き、ネルフマークを描き、ロンギヌスの槍を描き(螺旋具合が難しい、)全話のサブタイトルを暗記し、セフィロトの樹の丸の部分の名前を覚え(10個の丸のところ全部に名前がある)、考察本を買い漁った。

 

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 今考えると誰が書いたかもよくわからない、こんな本が本屋に山程あった。ちなみにこれどっちも持ってます。

 

とにかく常にエヴァに触れていた。 

 

 

 

エヴァを全く知らなかった1997年。

エヴァを初めて知った1997年。

エヴァTVシリーズを全部観た1997年。

エヴァの映画を観に行った1997年。

 

 

 

そして1998年3月。97年の公開から1年と経たず、劇場版がリバイバル上映された。

 

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REVIVAL OF EVANGELION

 

この頃になってもエヴァの人気は衰えず、むしろTVシリーズの放映もやっていなかった田舎にはちょうどこの頃くらいにブームの頂点が訪れていた。

普段アニメなど死んでも見なさそうなスクールカースト1軍バスケ部女子などにも頼まれ、アニメを録画したビデオを貸したりしていたくらいだ。

そんな中でのリバイバル上映。早速映画館へ。ひとりで観に行ったのだが、何回も観たくてしょうがない。我慢ができない。そこで少年の僕は思った「そうだ、映画をビデオカメラで撮影すればいいんだ!」。

はい、バカと思わないで。少年なので。駄目な事だとか思わずに普通にこの考えに至った。だがビデオカメラなど家になく(良かった…)、更に考えた挙げ句僕は、カセットテープレコーダーを映画館に持っていき、映画の音だけを録音して帰ってきた。

 

いや、これも駄目なことなんだけどね!子供だったので!あんま分かってなかったので!許して。

 

どちらにせよ、音だけ録ってどうすんだと。何がおもろいねん、と。

エヴァは映像が肝だろ、と。思うかもしれないが、その頃の僕は色々尋常じゃない。

 

綾波レイのセリフだけを録音したMDを聞きながら通学していた、というオリラジ中田さんの有名なエピソードがありますが、こちらはなんだかんだいって「異性の声」なんですよね。リビドーに強く結びついてますね、ええ。

だが僕は「Air/まごころを君に」の音だけをひたすら聞いていました。ノー編集で。こちらはエヴァそのものへの愛です。あっちゃんのリビドーになんて負けません。

 

なので僕は映画のかなりのセリフを今でも覚えていて、映画見る時は一緒にブツブツ言いながら観てます。……やめてアスカ言わないで映画のラストのあのセリフ、僕にだけは言わないで。

 

 

そんな状態のまま僕は中学を卒業し、高校生になってもこの熱はほぼ覚めることなく、エヴァだけにとどまらずエヴァの次に庵野秀明が監督を担当した彼氏彼女の事情にもドハマリ。

 

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これも演出はほぼエヴァだしめちゃくちゃ面白いからエヴァファン(特にTVシリーズ)にはオススメ。

 

ラーゼフォンエウレカセブンなどその後次々と現れたエヴァフォロワー作品にも「エヴァのパクリやんけ……」と文句を言いつつなんだかんだでハマったりして僕はオタクとしてのレベルがどんどん上がっていった(特にラーゼフォンはめちゃくちゃ面白かった超オススメ)。

 

 

オタクは続けながらも、流石にエヴァエヴァばっか言わなくなった2006年、当時購読していた月刊ニュータイプにてこんな発表が……。

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REBUILD OF EVANGELIONんんんんんんんんん!!!???

 

最初はリビルドオブエヴァンゲリオンってタイトルだったんですよね。

とにかくこれを見て震えた。エヴァを、エヴァを新しく作り直す、だと?

 

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クリエイターというのは新しいものを作り出すことの方に命をかけていて、過去の作品のおかわりを求められることを好ましく思わない。そういう認識だったし、作家性の強い人程そうだと思う。庵野秀明もそういうのを嫌いそうだな、と。

エヴァ終了直後は噂としてエヴァ2の話題が次々あがり、そのたびに「んな訳ねぇよ」と心の中で否定してきたし、実際2などなかった。

それが再構成というカタチでまたエヴァをやるなんて青天の霹靂!

 

最早自分の一部になるほどに身体に溶け込んで当たり前になっていた「エヴァ」という存在に、また熱が宿った瞬間だった。

 

そして2007年9月1日。

 

名を、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序と変えた新劇場版1作目が遂に公開される。

 

 

 

僕が新世紀エヴァンゲリオンに出会ってから10年後の出来事だった。